概要
奴の最期を知るためにそこに行った。でも、そこで……
第30回新潟日報文学賞落選作です。
発表は11月1日だったんですが…… これ、今の時期はちょっと…… ですねえ。
まあそれ以前の問題、というのは百も承知。
主人公は、東京で働く若者「俺」。
ある年の春、「俺」は前年の秋に熊に襲われて命を落とした元同僚が
最期を迎えるまでの日々を過ごした山あいの集落をひとりで訪れます。
はじめは、社内で厄介者扱いされていた元同僚の最期の地になぜ訪れたのか、
自分でもよく分かりません。
彼がここで過ごしていた時のことなどを知りたいという、
単なる好奇心、気分転換程度の気持ちもたしかにありました。
でもそれだけではない、というかそうではないような気もします。
それ以前に、「俺」自身が元同僚をどう思っていたのか、自分でも分からないままでした。
地元の人から彼の様
発表は11月1日だったんですが…… これ、今の時期はちょっと…… ですねえ。
まあそれ以前の問題、というのは百も承知。
主人公は、東京で働く若者「俺」。
ある年の春、「俺」は前年の秋に熊に襲われて命を落とした元同僚が
最期を迎えるまでの日々を過ごした山あいの集落をひとりで訪れます。
はじめは、社内で厄介者扱いされていた元同僚の最期の地になぜ訪れたのか、
自分でもよく分かりません。
彼がここで過ごしていた時のことなどを知りたいという、
単なる好奇心、気分転換程度の気持ちもたしかにありました。
でもそれだけではない、というかそうではないような気もします。
それ以前に、「俺」自身が元同僚をどう思っていたのか、自分でも分からないままでした。
地元の人から彼の様
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★ Good!深く読み込めば、深く傷が残る。
※)読者企画〈誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト〉参加作品としてレビューします。
〈まず通常レビューとして〉
感情のない一人称の文体で綴られる、これは、心に棘を残す物語だ。
主人公は、東京を遠く離れてとある地方へと旅に出た。スタちゃん、とあだ名されたアメリカ人の元同僚、その終焉の地を訪れるために。
気のよさそうな、しかしどこか田舎の閉じた感じも見せるおばちゃん達、現地を案内してくれる、スタちゃんの面倒を見てくれた土地の顔役――人々との触れ合いや、語られることの中から、主人公はスタちゃんの来し方に思いを馳せる。
同時に読者も、彼の人生を思わずにはいられない…続きを読む