概要
家族とは交換可能である
探偵のサイトウは、ある日奇妙な依頼を受ける。それは数日間、依頼者の代りに彼の家族で父親になって欲しいというものだった。あまりにも不可解な依頼、しかし依頼者の家族はサイトウを父親として当然の如く迎えるのであった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!我が身を振り返りたくなる、アイデンティティ・クライシス誘発装置
※)読者企画〈誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト〉参加作品としてレビューします。
〈まず通常レビューとして〉
探偵が、依頼人に成り代わって「家族の一員」として数日を過ごす、しかしそれでいて、夫であること父であることを疑われない、という奇妙な物語だ。
純文学とタグ付けされているが、確かにテーマそれ自体は哲学的ではあるものの、その実装がミステリー的、ないしはSF的であって、その点をこわがる必要はない。
いやむしろ、少し古い時代のSF風味が懐かしく感じられる作品となっている。人間性への問いかけとは、いつかのSFが得意としていたテーマなのだ。
テーマに触れること…続きを読む