「カクヨム甲子園2025」へのご応募ありがとうございます。
そして、中間選考通過おめでとうございます。

ピラミッドにじんとくるとは…。「こんな主人公、友達にいて欲しいな」と思わされるほど、キャラクターの魅力が爆発していたと思います。

これからも創作活動を楽しみながら、素敵な作品を書き続けてください。

　突如としてピラミッドを作ると宣言した友達。

　急な宣言に驚く主人公をよそに、友達はじっくりと計画を練って作って行きます。
　その様が5000文字程のサクッとした文量で描かれますが、その中に作者なりのエールが十分に籠もっているように思えました。
　何か勇気が欲しい方にオススメかもしれません

ちょっと不思議な古代エジプトオタクの"ここちゃん"が、ピラミッド建設をみんなの前で宣言！――から始まる物語。
彼女の友達である主人公は自身の部活に打ち込みながらも、合間合間にピラミッド建設中のここちゃんの様子を見に行く。
ここちゃんは持ち前の知識と人脈を駆使して本当にピラミッドをコツコツと造っていた。
実はここちゃんにはピラミッドをつくりたいとある理由があって――

読み進めていけばいくほど、ここちゃん、ただものじゃない……と何度も思わされ、
いつの間にか、ここちゃんのピラミッド建設を応援していて、
ここちゃんがピラミッドを作った理由が明かされたとき、主人公との友情に心温まり、
最後は元気になれる、そんなお話でした。

ほっこりするようなかわいい文体が、女子高生の友情と相乗効果を発揮していて、とても好きです。ぜひ他のみんなにも味わってほしい。

あと、作中に出てくるアラビア語「نعم(そうなの)！」って「ナン！」って読むんですね。これ言ってるここちゃん、想像しただけでキュートすぎる。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（335文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（195文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（557文字）

ピラミッド――古代エジプトの王が自らの権力を示すために作らせた、巨大な墓。

エジプトの象徴でもあるピラミッドを作ると奈淹ここなが宣言するところから本作は始まる。
とにかく彼女は行動的で憧れるが、本稿で触れたいのはそこではない。

ピラミッドというのは、誰かの力を示すために作られるものなのである。
無論、本作に登場するピラミッドもその役割を果たすのだが――『誰か』が誰なのか、是非読んで確かめてみてほしい。