オタクのあるべき姿、それがここちゃん

　僕はアホなやつが好きだ。
　ここちゃんはエジプトが好きすぎて、身の回りの雑貨はエジプト由来のグッズで埋め尽くされている。終いには返事をエジプトで話されるアラビア語で返す始末。これは立派なアホだと僕の中で好感度が上がった。

　そしてピラミッドを建てると宣言し、実際に完成させたこと。そして友人の心を動かしたこと。これはオタクとして尊敬するところだ。好きだけを原動力に何かを成し遂げるのは容易ではない。その姿はある者には滑稽に見えるだろうが、同じオタクの僕は感動した。

　最後に、この小説は空気作り（つまりは文章運び？）がとても上手いなと感じた。ふざけた空気感だからこそここちゃんをアホだなと微笑ましく思うことができたのだと思う。

　とても読み心地のいい作品でした。