簪ぴあの

心が闇に覆われるほど、内側から"何か"の声に襲われる。

　いつもどおり埃っぽい新宿駅西口からスロープを下りると、そこは北京（ペキン）だった。 　私は北京の市街地の縁を回るトロリーバスに乗る。そこは、夜更け、瑞々しい柳の枝が微風に翻る街…

ある小国の休日。身分を隠して孫と遊園地を訪れていたアロガンは、突然の事故に巻き込まれる。 負傷した孫を必死で隣国の大学病院へ運び込むが、そこで出会った医師は思いがけない人物だった…

よるのせかいで少年は夜分症に悩まされていた。突然現れた相棒と共に自分を変えようとする少年のストーリー。

　わたしと出会った次の春、美少女の久美子は自分の母が着物モデルを引退すると憂鬱そうに語った。絹は多くの蚕（かいこ）の命と引き換えに美しい光沢を放つ。それと同じように輝けなくなるな…

私、春原 望（すのはら のぞみ）。中学２年。 同じクラスの板倉 学（いたくら まなぶ）くんは、いつもひとりで本を読んでいるか、ぼんやりと周りを眺めている。 本人曰く、本を読んでい…

　市役所で、マイナンバーカードを申請しようとして、ついうっかり、彼女はやらかしてしまった。 　時間がなかった。面倒だった。そこまでじゃないと思ってた。様々な判断ミスが、彼女を絶望…

句会に参加したり、俳句に関する本を読んだりして学んだ内容を踏まえ、自作の句に対してセルフダメ出しをしております。 そんなの一人でやれよという向きもございましょうが、自戒として目に…

渓谷沿いの谷間に昔走っていたローカル線。 何年も前に廃止になった線路の草を刈りに、今年も俺はやってきた ……。

明治〜昭和初期をイメージしたレトロ詩です。 第一章が完結しました。これからは、不定期に第二章を更新します。

雪が降り積もった庭で、はしゃいでいる娘を見ながら、俺はばあちゃんに出会った日のことを思い出していた。 子どもの頃、母の恋人が来るといつも外に追い出されていた。大したことじゃないと…

雨の御霊の導きで、ついに目的地 「雨夫婦の岩戸」へ辿り着く……と思われた方、本当に申し訳ありません。 これは雨の御霊の完結編のくせに、 ある意味物語は完結しないのです。 衝撃の急…

碌山や中村彝、インドの革命家・ボースとの深交で近代史に名を刻む相馬黒光も家庭では煩悶を……。杉田久女、川島芳子、樋口一葉、平林たい子に次ぐ私見近代女性シリーズ。全53話。

彩美は天使のような女の子だった。 可愛い女の子だった。 彩美は、天使の心を持ったまま、美しく成長した。 俺は。 その天使の心を傷つけたんだ。 どうしても彼女が、欲しかったんだ――…

雫は毎年、４月１日にウソをついては、私を騙した。 私（サツキ）と雫は、姉妹のように仲が良かった。 だから私は、気づかなかったの。 雫が抱えていた想いに。 2024年エイプリルフ…

『積乱雲は見ていた／語り継ぐ戦争　🎆』番外編・全６話

　小学校のころ、わたしは、同級生の植戸倫恵（うえと・ともえ）から「着る服、交換しよ」と持ちかけられた。お金持ちのお嬢様の倫恵は、おばあちゃんが仕立屋さんを呼んで作ってくれる服がす…

言葉の乱れは心の乱れ。それほどに言葉と心の関係は密接だ。 では言葉に心が乗っ取られた時、人間の社会は一体どうなってしまうのだろう。 KAC2024お題むっつめ『トリあえず』よ…

女子高生の入野美雪は、先輩の雨月幸太に恋心を抱いていた。しかし、自分に自信が持てず、思いを告げられないでいた。そんな彼女の前に、魔女と名乗る謎の女性が現れる。彼女は美雪に「人の好…

【KAC20243】お題【箱】

　妹が、自分の通う学校を受験し、合格したらいま自分のいる寮に入ると言う。 　その妹といっしょの生活を避けるために入った寮なのに。 　愛は、去年、この寮を案内してもらったときのこと…

【源氏物語の帖名にあやかった、オムニバス形式】第一帖　空蝉（約３万５千文字）完結！ 源氏物語を愛する町医者、宣長に、次々と巻き起こる源氏的事件。 　 　時は江戸、ところはとあ…

【KAC20241＋】 お題「全てを破壊して突き進むバッファローの群れのようだ」

KAC2024 第一弾お題： 書き出しが『○○には三分以内にやらなければならないことがあった』 高校一年の夜明光留（よあけみつる）は突然、二年の朝陽華恋（あさひかれん）から呼び…

本当にあった話を少し色をつけて短編にしてみました。

【KAC20241】 お題 「〇〇には三分以内にやらなければならないことがあった」……で始まる小説。

高校生の霧嶋夏央（きりしま　なつお）は、学校が終わると喫茶店『ポメラ』でミルクコーヒーを飲んで過ごすのが日課。 ブラックコーヒーが苦手な夏央がポメラに行くのには理由があって……

2月4日が立春でしたのでね、春の俳句を詠みます。 よろしければ、ぜひご覧くださいませ<(_ _)>

僕はかつて東日本大震災の時に、一緒にボランティアをした女の子の作ったクラウドファンティングのＷＥＢページを偶然見つけた。

戦後に焼け野原となった東京上野で、清嶺貞春は頼れる仲間とともに時代の荒波にもまれながらも懸命に生きていた。 様々な人の助けを受けながら、時に出会いと別れを経験して少しずつ大人へと…

わたし自身の、危機一髪体験（実話）。

お題【スタート】 ある日、保健室に体調を崩してやってきた翼は養護教諭の立花先生に一目ぼれ！ 立花先生は小学六年生の息子を持つシングルマザー。 前途多難な恋の行方は……。

和尚さんが筆を片手に一句詠んでいると、子狐がやって来ました。

戸田杏（とだ　あん）の所属している小劇団の主演を務めることになっていた江金清美（えがね　きよみ）が、公開初日の前日に転落死した。 杏が直ぐにでも手を伸ばせば、清美は落ちずに済んだ…

昨年のクリスマスイブに、僕の唯一無二の親友が姿を消した。 その親友が、姿を消す前に僕にこう言い残した。 『星の綺麗に見える場所がある。来年のクリスマス近くになったら、そこに行く…

私がお父ちゃんと初めて会った時は最悪だ。 生まれた瞬間、ガッカリされた。 跡取り息子が欲しかった……らしい。 いらない子だった私だけど……思い出すのはお父ちゃんのみそ汁の味。

自分の霊感の強さをネットで調べたら1％しかありませんでした笑 でもゾッとすることは、たまに見聞きするのです・・・

ある日、僕のアパートの部屋の前に立っていた、そのコ。 「タヌキ、なんです」と。 どうしてここに？　 事情を聞くため、とりあえず、そのコを部屋にあげたのだが。 気づくと、すっかり、…

一人暮らしだと料理も適当。 でも急遽娘が帰ってくることに。 そうなると、がぜんヤル気が出てくるのが不思議！ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 江山菰様(https:/…

　4月23日は「子ども読書の日」だということです。そこで、私が小学生だったころ「銀河鉄道の夜」と出会った思い出を中心に、ほかの賢治作品との出会いや、「銀河鉄道の夜」の冒頭部分から…

下総関宿藩主で家康の異父弟・松平康元の娘満天姫は家康の養女として安芸国広島藩主福島正則の養嗣子・正之に嫁ぎ直秀をもうけるが、正則に実子が誕生して正之は暗殺される。徳川にもどされた…

　駅前のクリニックで看護師をしている「夏木　愛（なつき　あい）」は、周囲の期待に応えてつつがなく仕事をこなす事を、職場での存在意義と考え日々を過ごしていた。 　そんなある日、同…

全く読まれない学級文庫。ある日、その本棚に手を伸ばす少女が現れた。 左から右へ一冊ずつ本を読み終えていく彼女の目的とは何なのか。

　中央線中野〜立川駅間の約25kmに及ぶ直線区間、日本鉄道(現・宇都宮線)の栗橋〜宇都宮駅間の合理的線形、碓氷峠越え(信越本線・横川〜軽井沢駅間)の手段選定、豪華列車の運行など……