カタヌキ エマ＠2024年3月末頃まで超

時は平安。虫取りの腕を買われ、少年は橘様のお屋敷に仕えることとなった。 第五回こむら川朗読小説大賞参加作。

やがて、窓の外から排気音が聞こえる。ゆっくりと加速したそれは、次第に遠のいていった。無神経な小鳥のさえずりが、不規則に耳に届く。苦い想いはある。確かにある。しかし、それでも。今日…

居酒屋でアルバイトを始めた大学2年生の私は、たまたま客として来た高校時代の先生とばったり再会した。あの日と変わらぬタバコの香り。それは初恋の香りであり、燻る恋心の副産物だった。

猫のイッチは今日も部屋でダラダラ。ご主人はテレワークで大忙し。そんなご主人を見かねたイッチはある慣用句を思い出す。せや！猫の手貸したろ！！

小学生の時、ふざけて学校の屋上で遊んで、落ちて。それが私が幽霊になる前の最後の記憶だった。私にいつも花を持ってきてくれる同級生の男の子への、温かいこの気持ちの答えを知った時、止ま…

彼女と出会ったのはアメリカとメキシコの国境の街――エルパソだった。 日本を遠く離れて、ひとりで海外にくると、なぜか日本の風景を思い出す。 荒野の砂漠と故郷の空。 似ても似つかない…

いつものように帰宅し、夫の帰りを待たずに薬を飲んで就寝した私は、気がついたら死んでいた…… 死因はストーブの消し忘れによる火事。周りは不幸な事故だと決めつける。しかし私はストーブ…

ある日の放課後、下駄箱を開けるとそこには一通の手紙が入っていた。中身はなんとラブレター、ただし差出人のところは何故か数字で書かれていた。僕はこの一世一代のチャンスを逃すまいと、貯…

朝起きて、いつものように家を出た僕は、玄関先で見知らぬ少女と出会う。その瞬間、気がつけば僕はまたベッドの上にいた。 「目覚めてから繰り返される五分間で、全てを思い出せ」 突如表れ…

度重なる科学の発展。それはやがて雲という副産物を生み出し、大気汚染によって地球は空の光を失った。 そこで人々は、各主要都市に置かれたAI搭載型空気清浄機に一縷の望みを託して、快適…

　気がつくと、小説家の世界に移転していた少女。名前も何も分かりません。 　帰るためには、小説を書いて⭐と❤を集めなければなりません。 　ナロー帝国、カクヨム王国、などどこに住んで…

【第一回　G'sこえけん中間審査突破作品】 ペットショップでバイトしている彼女は猫みたいで愛想がない。でもかわいい。 なんとかランチに誘えたが、いきなり「私猫だったの」と言われ…

10万字以上投稿しているのに全然☆がつかない！ 定期更新してるのにレビュー１つない。 「おもしろい」と言ってもらえるのに全然伸びない。 それは『書く能力』と『宣伝する能力』は別…