『カクヨム』というサイトについて理解を深めるという意味では、一番親切設計と言える創作論なのではないでしょうか。地の文がかなり短略化されているので、堅苦しい事を気にせず作品世界に浸りながら、ネット小説に手を付けるにあたっての基礎知識を身に付けることが出来ます。こういうコンスタントな文字数で分かりやすく、物語を追う事で理解を深められるのはまさにコンセプトである児童書の理想形。
物語を発信したいけど良い事と悪い事、ちょっとしたマナーとかも知りたい——そんな初心者へ気軽にオススメできる読み物(ガイド)がこの【ようこそ!かくよむ国へ 〜ちいさな小説家の小さな冒険~】です。
若年層に向けた入門書として良質ではあるものの、作中に挿入されるネタは2023年から数えて下手すると10年程遡る所があり、同時代性に対する詰めの甘さが出ています。10代くらいをターゲットにしているというのは作品から見て明白なので、令和を生きる学生のミームは何なのか、その辺りを意識した方が等身大読者の愛着もまた増すと思います。
要所によっては『よくわからない』で片付けたりと基本の基(き)に対する説得力にムラがあり、創作『論』となると薄味なのは否めませんが、不特定多数の誰かの目に留まる媒体で、小説を書く事の喜びと悲しみが凝縮された為になる、作者の優しさが垣間見えるチュートリアル。是非、その指で絵本のようにめくってみて欲しいです。
この作品は、普通の創作論とはまるっきり別物。
主人公が「かくよむ国」に転生してお店を出す、という物語です。
素敵な小説は美味しい食べ物に、ちょっとアレな小説は形や味が悪い食べ物になって、お店に並んでいます。
小説の形を整えて、他の作者さんと交流し、正当な評価を贈る。
この物語には、素敵なカクヨムライフを送るために必要なエッセンスが、分かりやすく読みやすい形でぎゅっと詰まっています。
私も、カクヨムのシステムがよく分かっていない時に創作論をあちこち徘徊していましたが、その中でも一番取っ付きやすいものがこちらでした。
シンプル創作論と合わせて、みちの様には大変お世話になりました……!
カクヨムを始めたばかりの人が、最初に出会う作品がこの作品であってほしい。
もちろんカクヨム歴の長い方も、ぜひ一度は読んでみてください!
本当にオススメの作品です♪
小説家になりたい少女の「カクヨム国」での冒険という形で、この物語は始まります。
住民登録はペンネームと自己紹介。
パートナーは熊のぬいぐるみ。
良い小説は美味しい食べ物に。
ハートと星の付け方も優しく丁寧に教えてくれます。
読まれない地獄にはまらないよう、アドバイスもくれますよ!
ネット小説を書くときの決まりごとや、一人称と三人称の書き方なども、食べ物を通して視点の違いを上手に説明。
だけどまだまだ終わりません。
キャッチコピーに、あらすじ、タグ、素敵なタイトルをつけたら――さあお店に並べましょう!
ここから先は、ぜひ小説を読んでください。
作者のみちのあかりさんも未知乃灯として登場しますのでお楽しみに!
蛇足ですが、こちらの作者さんの子爵令嬢レイシアちゃんのお話がとっても面白いので、こちらもお勧めです。
ある日、主人公は小説を書かないと元の世界に戻れなくなってしまいます。
小説を執筆するにあたり、住める国を選べるようで主人公のひなは「かくよむ国」を選び、そこで元の世界へ帰るため筆をとります。
しかし、わからないことだらけのひな。
かくよむ国の仕組みを教えてくれるサポート候補熊のモコりん、素敵な小説をかくためのアドバイスをくれる先輩作家の未知野灯(みちのあかり)、それぞれの助けを借りて元の世界に帰れるように奮闘する今作。
創作論としてもよし、カクヨムのシステムガイドとしてもよし、小説としてもよし。
1つで何度も味わえるとても素敵な作品。
特にラストは表現としても勉強になりますし、ストーリーとしても主人公の有終の美を飾る素晴らしいシーンです。
私は感動してちょっと目がうるうるしてしまいました。
カクヨムに登録したばかり、執筆もはじめて……そんな人にぴったりの作品です。
中学生の女の子が転生したのは『かくよむ国』だった。 日常の世界へ戻るには小説を書いて、♡と★を集めることが必要みたい……。はたして彼女は日常の世界へ戻れるのか!?
このお話は童話風の創作論ですが、例えがとてもわかりやすく楽しく学べます。
ペンネームの決め方からwebサイトの注意点まで、手取り足取り教えてくれますよ。
書く方は知っておきたい、小説作法や一人称三人称の違いなどもわかります。
また、物語としても面白いので読む専門の方にもオススメです。書く側の気持ちもわかりますし、もしかしたら自分でも書きたくなるかもしれません。
日本一やさしい創作論★
是非読んで、主人公と一緒に『かくよむ』を楽しんでください~♪