映画やアニメなど、そのメディアに詳しくないけど知っている。あるいは聞いたことがある。
名の売れた人気作とはそういうものをいうのだろう。
ジャンルやストーリーは様々だが、共通する要素としては「高い独自性」が挙げられるだろうか。
その唯一無二の世界観や設定は、そこらに転がっているような安っぽいものではない。
つまり、真の人気作とは「特定の嗜好に執着し類似品ばかり探すマニアの目に留まるようなものではない」と言える。
試しに冒頭の定義に当てはまる有名作品に、小説投稿サイト上の検索ワードや主要ジャンルを当てはめてみるといい。しっくりはまるものがほとんど無いことに気付くはずだ。
このように、カクヨムなどの「膨大な作品群からジャンルと検索ワードで類似品を探すサービス」においては、独自性の高い作品は埋もれる傾向が強いと考えられる。
こういった仕組みは、サブスクの動画配信サービスも同じ。そのせいか、あちらも異世界ものが検索対象にされやすく、その影響でアニメ化が顕著だとか。
やはり投稿サイト同様、一部のマニア活動がもたらす偏重と言えそうだ。
ようするに、平日の帰宅後から深夜まで、休日ともなれば日なが一日「検索」と「視聴」に明け暮れるような生活スタイルはディープなマニア層によく見られるものであり、少数派ながらそれが視聴数や検索ランキングに及ぼす影響は小さくないということ。
ただ動画配信サービスが小説投稿サイトと決定的に違うのは、幅広い年代に通じる優れた作品を定期的にピックアップしてきちんと目立たせている点だ。
だからこそ、ファミリー層なども呼び込めるのだ。
まあ、結局のところ一流作品を埋もれさせるかどうかは運営スタッフの力量の差、すなわち優れた審美眼を持っているかどうかに尽きる話なのだろう。
制度や仕組みが形骸化、マンネリ化した今の小説業界では望めそうにない話だ。
そんな現状に少しでも抗おうということで、この企画では「メジャーなメディアで通じる独自性の高い物語」を募集する。
サイトで高評価の作品がメジャーな媒体では通じないことは長年の実績からみて明らかなので、当然ながらここでの評価の高さは問わない。
むしろ埋もれているからこそ一流の可能性が残されていると言えるだろう。
読み合いではないので、読む読まないは各自の自由。エッセイや創作論など物語以外の作品の参加はご遠慮願う。
参加する小説の設定画面で、自主企画欄にある「メジャーなメディアで通じる独自性の高い物語」を選択してください。
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