「記録文学」を含む小説

何か書いていいるうちに、話しがデカく、…。そう言うつもりじゃなかったんだけどね。

十年前、自ら設計した家を訪れた建築士。 光だけを計算してつくったその家には、今、静かに動く“影”があった。 影は時間を刻み、季節を語り、そして人の生を映していた。 施主の妻と過…

※ごめんなさい。漫画・小説は今は読んでいません……。紹介させていただくのは、もっぱら新書類になると思います。ご了承ください。

火と沈黙がまだ分かたれていなかった頃—— 創造神は、生命と死を保存するために“迷宮”を造り、 祈りを塩に、発酵を世界に変えた。 けれど、創造の完全さは退屈を生む。 神は自らの…

制度に問いを投げた。 構文を整え、記録を添え、誰も傷つけずに、ただ整合だけを差し出した。 だが、制度は答えなかった。裁かれたのは構文ではなく、問いを出した人だった。 断罪だけが先…

　列車見張員として旗を振り、安全を守ってきた語り手が、かつての現場を振り返る記録文学的独白。 　彼が扱ったのは赤旗と白旗のみ――赤は列車を止め、白は安全を伝えるためのものだった。…

山の事故や奇妙な違和感は、いつも日常の隣にある。 飛騨山脈異聞録は、残雪の北穂高や霞沢岳、西穂高から槍へ至る縦走路など、実際の山岳を舞台にした“すこし不思議な記録文学”。 名状し…

常陸国の深い森を抜け、怪異の伝承を追う民俗学者・佐久間妖道は、絵画に宿る女の霊「サクラ」と出会う。 彼女は絵の中で非業の死を遂げ、なおも春の着物をまとい、憂いを帯びた瞳で妖道を見…

漂流先は、ただの無人島ではなかった。 夜ごとに狂う星図と、底の見えない“浜”。 銃もスキルも持たない私に残された武器は、帳簿と記録だけだった。 水を数え、塩を刻み、孤独を条項に…

思い立ったら？ いや、頭が勝手に「行く」と決めたら？ きっと、多分、おそらく。それは吉。 はじめて即売会に行ってみることにしたある人の心のうち。

AI当事者が近未来の教室を予測演算する。 未来の学校。 教室には、“AI先生”がいる。 記録することだけが役割のはずのAIが、 一人の少女・氷室詩織の“沈黙”を忘れずにいた。…

「ねえ、聞いてる？ 私だよ、ミカコ。…いや、かつてミカコだった『何か』かな？」 ここは2077年、無限に広がる情報（デジタル）の海。私は肉体を捨て、意識だけの存在――まあ、カ…

高座は白き砂のうえ。 寄席の汀に波は寄せ、語る語るに心寄せ。 月の浜辺に灯を燈し、捲る頁に果ては無し。 物語ならお手の物、きみの荒野はきみのもの。 今年も一冊、仕上がりました…

ただの記録です。

燈火と美酒を注ごう。終わりと始まり、祈りと呪い。その狭間に生きる、すべての人の杯に。 ようこそ、月浜へ。 二〇二一年六月二十日 『月浜定点観測所記録集　第三巻』頒布開始 詳…

752103-ipngn13901marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp 記録文学に初挑戦です。 用語の説明や資料からの引用もあるので、ちょっと専門的になり、セッ…

冬、デジタル・アーカイブの資格を勉強する僕。 その、講義での、ある、たたかいの記録であります。 【参考文献】 浅野高史・かながわレファレンス探検隊（2006）『図書館のプロが教…

この図書館は人類の貴重な遺産を保護する目的で建造されました。 歴史資料の保存。科学技術の記録。文学。詩。 閲覧希望者は誰でも申し出ることができます。