デジタル・アーキビストという資格があることを始めて知りました。
SNSの発達により、巷には写真や動画などがあふれていますが、写真は情報を加えてはじめて「記録」となり意味を持ち、後世へ伝えることができます。
資格を取るため受講している他の人達が大言壮語を吐く中、主人公は地道にそして正確に、日々の何でもない写真に場所や日時等情報を加えて「記録」してきます。
「その日のその時だけの雪の柔らかさ」を記せば、雪だるまも二つとない貴重な記録となり、重要文化財にだって負けない。そう思う主人公の矜持に、読者はいつの間にか惹かれていきます。
彼が「お化け」と呼ぶものが何を指しているか分かり、「お化け退治をすることが大事」と言ったとき、なぜだか胸が熱くなりました。
この話を読んで得た知的興奮とともに長々語ってしまいそうになりますが、全7話の短編ですので、ぜひ体感してみてください!