「虚ろ 光」を含む小説

　負の記憶を具現化した存在、モータル。 　記憶の神がもたらした試練。それらを浄化する戦士を重用し、使いこなした国だけが繁栄し、残りは廃墟と化す。 　変わらず浄化者は終わりなき戦い…

両親の葬式時、奇妙な人々が多く詰めかけ、不穏な言葉を吐いては去っていく。雨の降る霊園の前で少女は親戚から毬を受け取る。彼女の名は皐月毬明。その名前の意味を、本人は知らない。果たし…

〝私は再び、この日を迎えた〟 　レイラは目を覚ますと、そう呟いた。部屋の窓からは電光が見え、雨の音が静寂を捉えていた。朝を迎える前の深い闇の中で、彼女の心は虚ろな気持ちに包まれ…

そこは白い星の光とその遣いである虹鷹の雨に守られる、砂原に囲われた王国。建国祭も間近のある日、ラーミウは久方ぶりの都を訪れる。彼はある任を果たすため、王宮より下ったのである。 ジ…

生まれた頃から目が死んでいる少年 その不気味な瞳から「虚(うつろ)」と呼ばれ その国では知らぬ者は居ない“外れ者” 理不尽な世界に生きる孤独な少年の光を求める物語

「おにーさんさ、人を殺したんだ」 ぽつりと、虚ろな目で一人の青年がつぶやく。 「一緒に逃げよう」 少女は言った。 痛いくらい、まっすぐな瞳で。 それは一筋の光だった。 青年は…

蜜月の祭りに人々は集い 祭りの夜に子供らが歌う 古の乙女は戦えり 盗まれし右眼を鱗で隠し 竜の聖なる鱗で隠し 目覚めた聖なる力にて 受け継ぐ聖なる力にて この世を乱す魔王さえ 邪…

　時は二十三世紀。 　なんやかんやとあって地球爆発。 　人類は宇宙へと飛び立った。 　新天地で人類は新たなる局面を迎える―― 　光と闇。 　虚無と虚ろはだいたい同じ意味。 　お父…