双頭の星は砂原に眠る

花野井あす

序章

　民よ、昊を見よ

　あれは我らの王

　無の砂原を輪郭を宿す者（ジャウハラ）とする、創造の主（あるじ）

　目映いばかりの光を落とす白星は

　すべてを照らし映し

　虹鷹を遣わせて恵みの雨を齎す

　白光（びゃくこう）は確かな器を象り

　雨は彩りを添え我らを息衝かせる

　我らが此処に在らんと望むは昊の意思

　民よ、敬い崇めよ

　民よ、平伏し色を確固とせよ

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