「研究 円城塔賞」を含む小説

～＊カクヨムコンテスト11短編小説部門・円城塔賞　参加作品です＊～ 〔 あらすじ 〕 近未来、人類はMNE(Memory Neural Extraction)と呼ばれる技術…

私の想いを乗せた透明な糸は、物体の輪郭と輪郭を軽やかになぞっていく。世界を駆け回るその糸の行き着く先は、いつもビビヌッコアユナの元だった。 ▢自主企画「もかあわ」審査員奨励賞・…

　８月１６日（火）くもり 　今日は兄上に連れられて、生まれて初めて夜会に参加しました。 　どれでも好きな料理が食べ放題だったので、ぼくは大好物のイチゴタルトをお皿に乗せようとし…

洋上に取り残された、地図からも消えた廃棄海上都市。 完全無人のはずのその都市から、今も「人口：10,284名」「行動ログ更新：最新」という報告が上がり続けている。 若手研究員・…

「犯罪小説の女王」と呼ばれた作家・神崎冴子が亡くなった。享年七十八。 彼女の小説には、常に同じ女が死んでいた。黒い髪、白い肌、深い湖を思わせる眼差し——五十年間、名前を変えながら…

人文計算学研究センターで、AIと文学の共同研究をしている「俺」の前に、Λ-9という巨大言語モデルが出力した“新作”が現れる。 画面に表示されたのは、ひらがな・カタカナ・漢字・記号…

兄は二段ジャンプに失敗して、深い谷底に落ちて死んだ。 兄の死んだ年齢に追いついた弟は、兄の二段ジャンプの研究ノートを開き、その後を継ごうと決めるが……。 越せないものを越そうと…

人工知能×創作×近未来 研究と犯罪抑止目的で全ての行動・閲覧履歴がとられる世界 息苦しさを感じる人々が求めたのは、記録が残らないオールドメディアだった。 一斉上映の映画、昔なが…

「ねえ筧（かけい）君、量子力学って知ってる？」 「え？」 　僕と榊（さかき）さん以外誰もいない、放課後の教室。 　日直だった僕たち二人は並んで黒板を拭いていたのだが、榊さんが唐…

魔法学校に通う魔法オタク女子のリディは、生徒会長であるアベルに片想いをしていた。 そんなある日、リディは一人研究室で透明になれる薬を開発し、自分でそれを飲んで透明になることに成功…

「富田、聞いてくれ、俺は遂に世紀の大発明をしてしまったぞ」 「はぁ？　冗談は顔だけにしてくれませんか部長？　どーせまた子どもすら騙せないレベルの子ども騙しなんでしょ？　この前なん…

新しい発芽食品開発のために赴任した先の辺境惑星で、一人残された研究員。 やがて、研究対象だったはずの芽が語りだす。

明治三十二年秋。 正岡子規は喀血と腰痛により、東京根岸・子規庵の病床で過ごす日々を送っていた。そこへ、学生の頃からの親友である夏目漱石が訪れる。漱石は「黄金林檎の落つる頃」とこぼ…

　廃墟の中で冬眠中のカプセルを発見され、六百年ぶりに目覚めた男。 　研究者で医者のストレンジ博士によって治療され、食事を与えられる。だが専門家が男のために研究して作った、せっかく…

注意事項（最後までお読み下さい）： 注１：「黒い箱」とはいわゆるブラック・ボックスを指します。 注２：「白くします」とはホワイト・ボックス化（注３）を指します。 注３：「ホワイト…

チョコボールと言えば、エンゼル！ あれがどこに潜んでいるのか、わかったらいいのに、って思ったこと、ありませんか？ 私はあります！ 実際は超ランダムで、どこに何があるかなんてわから…

好きな人と結ばれるため、愛猫とともに重ね合わせの未来を見にいった研究者の話です。

「秘密の都市伝説の正体を暴く」ことを目的とする都市伝説研究会のメンバーとともに、私は悪魔が住むと言われる日本家屋の中に足を踏み入れた。想像を絶する恐怖が待っているとは知らずに・・

盛んに研究されている脳シミュレーションに、意識が発生しているのではないかという懸念が生まれる。「強いチューリングテスト」という方法により調べた結果、多くの脳シミュレーションに意識…