「灰色の雲」を含む小説

舞台はこの地球に出来た一つの島。 この世を覆うのは『灰色の雲』ーグレイクラウドー その上にそびえる『空の城』ースカイピリスー 灰色の雲は地上の世界と空の上の世界を分ける境界線とな…

　――片手に教科書を持って歩いたりすべきじゃなかったんだ。 　灰色の雲に覆われた空の下、男子大学生はそう思って後悔していた。わずかな油断をきっかけに、とんでもない災難に見舞われる…

冬の日の朝と昼と夜と。

はるか昔、世界には２つの星が存在していた。 １つは、『自由の民』が暮らす星、ガイア。 そしてもう１つが、『魔法の民』が暮らす星、バベル。 ガイアに暮らす人々は、自らの星…

かつて芸術でその名を馳せた由瀨王国は、王政が廃止され由瀨となり、近代化政策が進められていた。芸術家たちは芸術を続けることが困難になり、多くの芸術学校が廃校となった。 たった一つを…

「私にとって仕事は娯楽みたいなものだから」と姉はよく言っていたものだった。僕を含めて家族はみんなその言葉に騙されていた。受話器越しから聞こえる姉の声はいつも明るかったから、姉が精…

　自分という存在が何よりも嫌いな少女――柊幸は、母親からは虐待され、価値が見いだせないでいた。そんな中、幸は母親から出ていけと言われ、外に出ていく。あてもなく歩いていくと、ある橋…

「おまえの罪を数える！」 　大臣ギリアム・デイソンがそう声を張り上げた。 　公爵令嬢セリーヌ・フォン・ヴァインシュタインは今まさに断罪されようとしていた。 　三日前にギリアム・…

仕事に潰されて鬱になった主人公がまた子供の頃のようにキックベースをやろうするお話し。

戦争が終結して、世界には止まない雨が降り始めた。 大空を包むのは、決して晴れない灰色の雲。 太陽がそこにあることなんて、この世界の誰もが知っている。 けれども、太陽を見たことが…

　暇を持て余していたハンチのもとに、ニットが何かを持ってやってきた。 それはいわゆる絵本だったが、二人には未知の代物だった。絵本なのでページをめくれば、色味鮮やかなイラストが描…

『今より昔、とても昔の大昔。 　天と地の生まれていない、まだ全てが一つだった全の時代。 　分厚い灰色の雲を割り、光と闇を率いて顕れたのは、 　全知全能を語る神でした。』 「今日…