「短編＆掌編」を含む小説

窪みをなぞるように車両の往来もないさびしい国道線を彷徨っていると、一匹の雨蛙が溝淵に白々しく座っているのを見つけた。

水のりの半分ほど満ちた両手鍋を五徳にのせて、マッチ棒をよせてバナーに着火する。

　私は教授の独白に鬱屈したまま暮夜けたリノリウムの廊下を足早に駆け抜けると、ふと世界をおおう色合いに目を奪われた。

どうやら小さな流動体が群体をつくり、ヤネの上でぴちぴちと鮮明な足音を立てて踊っているようである…。

共契山(ともちぎりやま)で肝試しをしたトトとカカはうっかり帰り道の山道で形見の数珠を落としてしまう。無事、途中の山道で数珠を見つけたカカは数珠を探しに山道を戻っていったトトを追い…

高層マンションに住む会社経営者の男。 仕事に忙殺される合間を縫って受けた健康診断で、肺がんを告知される。 帰宅し、重い気分を抱えながら、ベランダで一服喫む。 ガラス越しに身重の妻…

俺は売れなくなった小説家である。 昔の稼ぎを取り崩しながらのスローライフを送っている。 最近のお気に入りは、廃校になった小学校のプールサイドで、一服つけてのんびり昼寝をするという…

　些細な事で大切な彼女が部屋から出てこなくなった。 　どうして彼女は出てきてくれないのだろうか。 　痺れを切らし、僕は扉に手を掛けた。

誰も彼もが争い傷つく。それを見ている人間でさえも。 人類は、おしなべて不幸だ。

「僕は確信してるんだ。クジラとニンゲンは分かりあえると」 そう信じぬく主人公の、信念と狂気の逃避行。シニカル・ファンタジー・コメディ。

＃ジャンル不問＃発表済み短編「35作」 ＃新作あり「悪を裁くなら最後まで！」 ＃最後の短編集＃短編集「第19弾！」 ＃過去の短編集 18弾「https://kakuyomu.jp…

「１４０字じゃなくて、もう少し長いお話はありませんか？」とご所望のアナタにいいお話。少しだけ長いけど、それでも１分程度で読めちゃう「おやつサイズ」の物語。「そういうこと？」「ちょ…

ありそうで、なさそうで、ありえそうな日常を舞台にしたほんの僅かに不思議な小説。

　死場所を探し、森をさまよう主人公。森の中、ある少年と出会う。少年の正体は……

日常のある違和感に悩む主人公。 言葉では言い表せない違和感。 ある日鏡を覗いてみると……

年老いたヨウイチは、中学三年生のころに、電線に止まっていた鷹が落とした羽を大切にしていた。

むかしむかし、というほど昔でもないのですが、あるところに若くて貧乏な画家が住んでいました。

漫画を描いてネットにあげ続けるも一向に芽が出ない人の話

　売れない作家の主人公はある夜、時計の針の音が気になり始める。 　しかし音の出所が見つからない。針の音は主人公を追い詰める。どこから聞こえてくろのだろう。