「和風(？)」を含む小説

霧深き山寺に身を寄せる浪人・宗次。 かつて夜道で人を斬り、その罪を胸に刀を置いて四年。 だが村を襲う「夜人（やびと）」の噂が、静かな日常を裂く。 襲われたのは団子屋の若者――店子…

時は仮想十九世紀。 帝国政府による独裁政権が続く島国で、一人の人斬りが世間を騒がせていた。 ついた通り名は『くれない夜叉』。 帝府重役ばかりを狙う人斬りの正体は、男装の剣客『山科…

若くして「剣を握ることを許された鍛治師」と呼ばれる鍛治師四段位の火渡稔（ひわたり みのる）。 　一人前になってから毎日火花を散らしながら刀を打つだけの職人生活……のはずだったが、…

異星人によって支配され、侍と呼ばれることも、刀を手にすることも許されなくなった時代。 そんな世界で、一人の男が立ち上がる。 危険な日々を生き抜きながら、やがて彼の秘めた欲望―…

　暁国（あけのくに）の成条京には、貴族の子息が学ぶ大学寮がある。 　左大臣の孫、橘真人（たちばなのまひと）は、特例で入寮した身分の低い小野悠月（おののゆづき）に興味を持つ。 　…

狼族のソラは、相棒兼上司のユイと人間界で任務に当たっていた。その任務とは、寄生霊魂なる妖怪もどきを退治し、異界の王――天龍王の魂を取りもどすこと。 ソラたちが人間でないとばれれば…

煙々羅（えんえんら）と呪念捜査官。 それは、〈悪運憑き〉と呼ばれる異形と、それが生み出す呪念から人の世を守る者。 煙々羅は、人間がその身を捨て、世の理の外のモノと成ることで、煙と…

文明開化に沸き立つ時代。その波は菓子の世界にも広まっていたが、和菓子職人の父を持つ杏は食べたことがなかった。 使いの途中に出くわした人は五年ぶりに再開した青年だった。礼だと振る舞…

　自分が最低だとは分かっている。 　朝起きて、リビングへ降りると朝食の用意がされている。青魚にきんぴらにひじき。油揚げとにんじんの味噌汁。彩鮮やかな純和風の食卓。本来なら食欲そ…

noteで連載していたものの改稿版 信仰と禁忌に縛られた村で、青年は一人の少女を救わなかった。 年月を経て、夢の中に現れる「森」と「声」。 それは贄となった少女の残響か、それと…

これは本編『色彩に舞う、白き瞳の花嫁　—火に灯る心—』の一部抜粋です。ろうでい様の朗読用に用意しました。 文字数の関係により、序章は省略しております。

　その土地では日照りが続いていた。 　領主の娘でありながら忌み子として生まれ育った少女は、父から「水神様のお力となれ」と、生贄として捧げられることになる。 　その身を捧げ、この地…

千年前───王位継承の争いに巻き込まれ、無実の罪で都を追われた皇位第一継承者の皇子。執拗に彼を探す兄から隠れ、西の都に身を寄せることになる。 西の都───最果ての地で、美しい皇…

剣と魔法の和風RPG的な世界観でのお話。 大陸の北方に位置するシーカ国は年中雪と氷に覆われた凍てついた国。 優れた才能を持ちながらも愚鈍を演じ親兄弟からも忘れられてひっそりと平和…

【不定期更新／現在ほぼ休載状態ですみません】 その世界には巫蠱（ふこ）と呼ばれる存在がいた。 総勢二十四人。 内訳は巫女（ふじょ）が十二人、蠱女（こじょ）も同じく十二人。 …

　あの日から、俺は清楚な姉と天真爛漫な妹と半分一緒に暮らすことになった―――― 「298万8,725円……？　これを俺に返せと？」 　順調に生涯独身ロード爆進中の陰キャなアラ…

運悪く遭遇した通り魔の凶刃から、人質の女の子を咄嗟に守った私はこの世に未練を残したまま、短すぎる１７年の人生を……終えたはずなのに、次に目覚めた私はあの女の子になっていた。意味が…

かつて姫神が支配した国・咲夜国。ここは外界から隔絶された場所だった。 呪術一家で貴族の南夏家に生まれた聖夜だが、生来の捻くれた性格から軍部へ入る！ あれこれ文句を付けられつつも軍…

これは、一人の作家の話である。

かつて怨霊と呼ばれた帝と、桔梗の姫。 誤解と悲しみによって引き裂かれた二人は、和歌に託した想いを残したまま別れた。 転生した今世で再び巡り会い、花と歌に導かれながら、閉ざされた…