巫蠱(ふこ)―巫女と蠱女―

小憶良肝油(おおくらかんゆ)

第一章「終焉の知らせ」

紙片




 一枚の紙切れに荒い筆跡で字が書かれている。


「二十四人の巫蠱ふこ


 すなわち十二人の巫女ふじょと十二人の蠱女こじょ


 ようやく彼女たちの役目が終わる。


 彼女たちは終わりのあり方を探す。


 結末は全員が死ぬものかもしれないし。


 全員が生き残るものかもしれない。


 だが、あえてここで真実を言おう。


 未来は、そのどちらでもない。


 彼女たち二十四人のうち、ひとりだけが。


 その寿命をまっとうできずに死ぬ。


 長らえた二十三の余生がこの事実をかみしめる。


 誰も知らないこの予言を。


 否、歴史を。


 ここに」



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