巫蠱(ふこ)―巫女と蠱女―

小憶良肝油(おおくらかんゆ)

第一章「終焉の知らせ」

紙片

 一枚の紙切れに、荒い筆跡で字が書かれている。


* *


 二十四人の巫蠱ふこ

 すなわち十二人の巫女ふじょと十二人の蠱女こじょ


 ようやく彼女たちの役目が終わる。

 彼女たちは終わりのあり方を探す。


 結末は全員が死ぬものかもしれないし、全員が生き残るものかもしれない。


 だが、あえてここで真実を言おう。

 未来は、そのどちらでもない。


 彼女たち二十四人のうち、ひとりだけがその寿命をまっとうできずに死ぬ。

 長らえた二十三の余生がこの事実をかみしめる。


 誰も知らないこの予言を――否、歴史を、ここに。

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