「短編」を含む小説

戦争後のこの世界を支配する、唯一最大の大都会、市《シティ》。そこで働く私はある出来事によって、社会のメインルートから脱落することになった。そして降誕祭《ナビダード》の夜、この巨大…

フユ・ホープフル・フューチャーは時計草戦争の英雄である。 断じてアイドルではない。 断じてキャンペーンガールではないし、 断じてバニーガールのコスチュームをまとってぴょんぴょん飛…

カクヨムコンテスト11の長編・短編部門の参加作品数や傾向などのメモを公開します。あくまでも参考にとどめてください。書籍化などを確約するものではありません。 病気などなければ、毎日…

主人公リュウジは異世界に転生した。森で倒れていたところ妖精の女王に助けられる。 美しい宮殿、整った食事、丁寧な接遇。 女王は微笑みながら告げる。 「あなたは“聖種（セイシュ）”……

ファアストシティ――誰がそう呼んだかも忘れられた旧き街。空は公害雲に覆われ淀み暗く、地上は犯罪という悪意と血に染まる、いつか朽ち果て終わることを約束された街。 そんな街で便利屋…

文化祭のあと、文芸部部長の俺は、後輩の女子から白い薔薇をプレゼントされる。 照れ隠しなのか、後輩は「飾るついでです」と言って、部室の花瓶に薔薇を一本挿した。 しかし、翌日俺たち…

「日記にでも書いとけよ」と、つっこみながら読んでください。

追放されたその日、俺は笑えなかった。 大阪の夜はまだ眩しい。なのに、胸の奥は真っ暗だ。 芸人養成所の同期に囲まれ、「お前、おもんないわ」と言われた瞬間から、 何かが音を立て…

　とある18禁ゲームのBSS役主人公が、ヒロインからの電話を取ると、竿役DQNの声がした。 『もしもし、俺、佐藤慎吾。今、松原志保の部屋にいるんだ』 　それだけではなく、ヒロイン…

　夜道を歩いていると、私のあとをつけ回す男がいる。 　ストーカーだと思って、慌てて交番に駆け込んだ。 　最初は無視されたが、親切な警官二人組が対応してくれて……。 （「小説家に…

あなたと再会したのは、私の最後かもしれない誕生日だった。 あなたの一言で、世界に輝きが戻ってきた。 だから……！「もう少しだけでいいから、私に時間をください」 再開した君は、笑…

結婚2年目。彼女の嘘に気付かないふりを続けてきた「僕」は、その我慢こそが愛だと信じていた。 けれど、父の死を境に積み重なっていた感情の綻びが一気にほどけてゆく。 “愛している”だ…

カクヨムコンテスト11短編・応募作品。 現代ファンタジー系童話を書いてみました。 全3話。 楽しんでいただけたら幸いです。

新人不動産営業の椎名灯は、売れ残った古い家の調査で、奇妙な少女と出会う。 桃色の着物に金色の髪、古風な口調で「わらわ」と名乗るその少女は、春日小町。 押し入れや仏間からひょっこり…

師走坊主と冬小僧が毎年恒例で繰り広げる、何気ない会話です。 ※本作品は「冬小僧」https://kakuyomu.jp/works/822139839552202721 のス…

アレクは魔道士である。 かつて魔王を討伐し世界に平和をもたらした伝説の勇者と共に旅をした魔道士の末裔である。 アレクは勇者一行の冒険譚を幼少期から聞かされて育ち、彼もまた勇者様の…

「幽霊など存在しない。この世にあるのは物理現象と、脳が見せる『バグ』だけだ」 大学の民俗学准教授・久我山蓮（くがやま・れん）は、端正な顔立ちに着崩した和装、 そして首には最新鋭…

　高校生の『高橋』は『先輩』のもとへお見舞いに訪れた、とある秋の午後のやりとりが印象に残っている。 　学生審査員コンテスト Students Judge Award 20…

深夜、商店街の端にだけ灯る小さな看板。 そこには《三毛猫ミルの深夜相談室》と書かれている。 店主は人語を解する、誰よりも心あたたかい三毛猫。 喧嘩した夫婦、迷う大学生、夢を見失…

空を見上げて涙を流すような歳でもないが、こうも見事な縹色をされるとまったくこれから出社というのが嫌になってくるのだった。