「#円城塔賞」を含む小説

36歳、薬草採り専門の冒険者・レイジ。 モンスターは絶滅し、残った仕事は錆びた金属生物「テツマル」に油を差すだけ。 それでも穏やかで幸せな日々だった──はずだった。 ある日、病…

全てね･･････。

短編。 未来の火星を舞台にした、神話風の後味を心がけた作品です。 前半では火星の風景を一生懸命描写しておりますが、こちらは神話風でなく、現実の火星を参考にしています。 ■その…

漫画家を志す青年・創（はじめ）は行きつけのブックカフェで「このカフェには毎週ペンギンが本を借りにくる」という奇妙なうわさ話を耳にした。馬鹿げた法螺話だと決めつけて相手にしていなか…

十二月に入り、ブラックサンタは売り飛ばすための子どもを拐いにきていた。貧しい二人の子どもに目をつけたが、そこには悪魔を討伐するための”超人”の女もいた。

幼馴染のハルトにキスをされた翌日、彼が引っ越すのだと知った。 放課後、雪の降る屋上でその背中を呼び止める。 開けてくれるはずだったピアスホールと、まだ続くと思い込んでいた日常。そ…

全裸でカップラーメンを食らうことで、主人公はある意味で世界の果てに辿り着いてしまうという物語です！

主人公の名前は東京都。 「とうきょうみやこ」と読む。 父は東京砂漠。 母は東京京子。結婚前の名前は京都京子。 名前に狂い、名前に呪われた一族に生まれた東京都は、中学時代にクラスメ…

寿永二年閏十月一日（1183年11月17日）、備中国水島（倉敷市）にて、源氏の「朝日将軍」源義仲軍の足利義清七千騎と、平家の平知盛・重衡・通盛ら千余艘が激突した（水島合戦）。 そ…

「……セラ。俺を──愛せ」 炎の瞳が揺れる。 魔王は喉の奥で言葉を噛み潰し、それでも逃げずに少女を見つめた。 「……俺を、愛してくれ」 その声は、命令でもなければ支配でもな…

あの日、俺は呪われた。それ以来、人が人に見えない。 《刑事》として、人の心の闇を覗いてきた。闇を理解するために、犯罪者の思考を追い、心を観察し、その中身を掴むために古今東西の心…

　『アス……アポイント……』 　何度、この言葉を繰り返しても、俺の思考は纏まらない。それは暗く濁った俺の視界のようだった。川底に這いつくばった俺は、広がる砂粒の中にその身を静かに…

ああいやだ、ああいやだ、たまらない 　　　　　　　　　　　　　　　——三島由紀夫（「家族合せ」）

ミハシは一度なら事故だと言う。

　夜の京都・鴨川の長椅子で、若き畫家・鏡花はただひとり、月だけを描き續けている。 　SNSに投げ込んだ繪に返ってくるのは、溫度を失った贊辭の斷片ばかり。屆かぬ言葉と手應えのない稱…

「もう小説は書かないほうがいい。AIが作った作品のほうが未来では評価されるから。」 「2027年には、人間が書く小説なんて無価値になる」 「だからお願いだ。惨めな思いをする前に…

◆あらすじ Ａｙａは孤独なスナイパーだった。 ＫｏｕはＡｙａ専属の情報屋だった。 二人は秘密の関係となる。 その危険を捨ててパリに二人で暮らすこととなる。 Ａｙａの神友（しんゆ…

『一度壊れたガラスは元には戻らない。』 でも、違った輝きを見つけることは出来る。

※本作には自傷・自殺を想起させる描写が含まれます。読まれる方の心情にご注意ください。 　灼ける街、降り出す雨、満天の星。 　そのすべてがひとつの色に溶けていく夜。 　二十一…

ある日突然、自分の愛するフィギュアが動き出したら――そんな『コレクターの夢』をかなえた男の体験する幸福から恐怖への転落。 微笑む彼女は何も語らず、ただ――他の“愛”を許さなかった。