「希死念慮」を含む小説

どうせこれを描いているときは正気ではないのでしょう。まともに存命を観たら、頭がやられます。このところの残暑のように、低気圧のように、色が失われた廃墟然とした視界で、機械的に安楽死。

鬱ですね。鬱ですか。そうですか。鬱は今日ですね。今日は晴れていますか。晴天は鬱ですね。私は鬱ですね。蛙は鬱ですね。視野が鬱ですね。

自家中毒にならないように毒を撒く悪辣さとでも言おうか、これは私の自己治療の試みなのだろう。

人間を拒絶している作者の日常を描いています。 少し前まで、人間と共存する為に薬を飲んで対処していましたが 人間を拒絶している限り、薬を手放せないと悟り…。 薬を手放して、現実と向…

孤独の果てに“死にたいという願望”を持つに至った『僕』。 とある雨の夜。『僕』は、自らを“希死念慮の擬人化”と称する女性と出会う。 彼女は、僕という物語を終わらせてやると、僕に優…

20160618 / 「人魚姫同盟」について。 長命種でもない限り人間は100年後にはだいたい死ぬ。

人類は、進化の過程で人の痛みを視ることはできなくなった。 それは逆に、以前は人の痛みを知ることができた時代が存在したのも然り―――妖怪や幽霊が信じられるように、この世界には『穢れ…

「僕の最大の失敗はまず生まれてきたことだ。」

【第三回金魚屋新人賞　二次選考通過作品】 天才芸術家に愛された青年、しかし「ふつうの恋愛」はそこになかった。 終わらない貧困と病苦の中、救いを求め、赤い世界に溺れてゆく。 …

陽菜と千夏、高校一年生。家も近いし誕生日も近い。親も仲良し子も仲良し。 そんなある日、陽菜は…。

高校二年の春、美人女子高生のパンツを見たことをきっかけに、張間少年の平凡な生活はファンタジーなものへと変貌してしまう。 超記憶能力の怪力女子高生、言ったことが現実になる力を持つ…

過去に兵器として生み出された「プラントX」の浸食により、人間はコロニーと呼ばれる居住区内での生活を余儀なくされていた。しかし、コロニーは老朽化が進み、もってあと十年と言われていた…

曰く、価値すら汀の奥であると。 曰く、泥程見てきた人であると。 暫く、彼は彼女の姿だけを、声音だけを胸に刻んだのだと。 暫く、彼女は彼だけを考え、傷を刻まれたのだと。 彼、異…