春の特別編ということで、カクヨム運営が選ぶ秀逸なレビューをご紹介します。
季節そのものをテーマにした作品をはじめ、「出会い・別れ」「挑戦」など、この時期に読むと気分がグッと高まる、様々な「春」をテーマにした作品からピックアップしてお届けします。
レビューを通じて、新たな作品と出会うもよし、goodレビューを見て、レビュー投稿に挑戦するもよし、あなたのカクヨムでの春を満喫してください!

ピックアップ

思いを、情景を描くために選び抜かれた言葉たちの力。——凄い。

  • ★★★ Excellent!!!

心も身体もどんどん変わっていく、そんな微妙な時代の少年の心をきめ細やかに綴った物語。

この物語の舞台である森での日々は、あくまでも静かに淡々と紡がれます。
その情景は、作者という存在を介在しないかのように——まるで、何処かの森のある冬と、そこに住む人たちの日々をまるごと描き写したかのように…全てのもののひそやかな息遣いが聞こえてくるほどの、透明に澄んだ世界が広がっています。
創作された世界であることを感じさせない自然な空気と、その世界へ引き込む言葉達の力。気がつけば、自分もその情景の中に立っている——そんな感覚に驚かされます。

少年の心のふわふわとした不安定さ。揺れ動くその思いは、選び抜かれた言葉によって形を与えられ、読む者の心へ届けられます。時に優しく、時には突き刺さるように。
少年が、成長に従い、少しずつ「男」という性を持ち始める。真っ白から、ごく僅かな色合いを帯び始める——そのグラデーションの美しさも見事です。

ここへいくら書いても書ききれない、この物語の魅力に溢れた空気。ぜひ多くの方に、この空気を味わってほしい。この森を訪れてほしい。そんな作品です。
新しい季節の物語、楽しみにしています。

オリジナリティあふれる、作り込まれた世界観

  • ★★★ Excellent!!!

異世界転生にありがちな、中世ヨーロッパの世界観をあえて避け、狩猟・採集の時代にフォーカスした、オリジナル性の高い作品です。

もしも文明の発達に魔法が関わっていたら?という「シミュレーションもの」としての完成度も高く、歴史的、文化人類学的に確かな考察に裏打ちされた、説得力のある物語展開が魅力です。

最初は毎日の食料の確保に精一杯で、教育や文化の醸成の余裕がなかった人類が、火魔法による栄養状態の改善や氷魔法によるナマモノの貯蔵を達成し、徐々に勢力を拡大していくあたりが個人的に大好きなくだりです。

魔法を技術として捉え、魔法への理解を深める過程を描いているのもこの作品の特徴で、そこも考察が捗って素晴らしい。

魔法の発達の過程を追体験できるので、なぜ言葉による詠唱が必要なのか?なぜ魔法陣という概念が発達したのか?という理由に非常に納得します。

言霊思想やイデア論なんかも知ってると、より楽しめる内容になっていると思います。

あくまでイチ考察厨としての意見ですが、一口で3度くらい美味しい作品です!!

諦めの中にある爽やかな達成感

  • ★★★ Excellent!!!

作者は本好きなようです。本に没頭し、棚を壊すほど集めた本の虫です。

ライトノベルに始まって、文芸作品や哲学書に至るには、尋常ならざる読書家でしょう。

そんな作者は文学賞に応募します。

そこで気付く厚い壁。

ですが、夢中で何かを成そうとした経験は、爽やかな達成感を残します。

自分も、そんな日がくるかも知れない。と、思わせる物語。

旬を味わう物語、無性に食したくなりますぜ!

  • ★★★ Excellent!!!

授業を進めたい先生は、生徒の発言によって自ら中断してしまった。その理由は、「菜の花は食べ物である」ことを教えるため。
春の陽射しがうららかに差し込む学び舎。この情景描写が丁寧です。すぐに頭に映像が浮かびます。そして実直な先生のお人柄も、上手く表現されています。
そしてそして、主題の菜の花の調理について。これをご覧になれば、思わず食したくなること請け合いです。本当に「美味しい話」に仕上がっているのです。味わい深い一品です。

歩き、交流し、広がっていく広大な世界にワクワクが止まらない

  • ★★★ Excellent!!!

 主人公である『運び屋』ヴィクターが、都市アグアノスを拠点として野を越え山を越え、依頼された荷を人々や場所に紆余曲折を経て運んでいく物語です。
 単純かと思いきやそうではない。護衛や出会いによって繋がる、『縁』というものを強く感じさせられるのです。
 人々ってこうやって繋がっていくんだな、とか、こんな出会いも起きるんだ、という些細ながらも大事な部分を思い出させてくれました。
 そこにはきっとヴィクターのもつ豪運もあるのでしょうが、しかし物語はかくあるべし、と思わされます。
 ヴィクターを中心に広がる繋がりもさることながら、背景に描かれる世界観も秀逸です。
 文化があり、国があり、住まう土地があり、そしてそれらはゴブリンやオークといったファンタジーならではの種族にも存在している。そんな当たり前をやはり再認識させてくれました。
 その他にも加護といった要素もチラリと見受けられ、興味深くて仕方ありません。

 広大な世界とその世界を歩いて縁を広げるヴィクターの旅路、オススメです。

毎日が青春、青春がエブリデイ

  • ★★★ Excellent!!!

これは連載モノの上手い作品やで、というのが冒頭ちょっと読み始めた時点での感想です。
連載モノというと、一話ごとに起伏と次話へのヒキが必要。ってことは大体の人は分かっていると思うけど、それをじっさいにやるのは難しいわけです。本作品は、そこがきっちりと、それでいて自然な感じでできています。
で、作品自体はスポーツもの。昔のスポ根ものから、現代的なものでいえばラブライブやガルパンまで、弱小が頑張って→強豪と互角以上に戦う、という基本的な流れは変わりません。
どうしても退屈になりがちな、主人公が戦うことを決意するまでとか、地味な練習シーンなどを、どう読者を退屈させずにクリアするかがスポ根ものの課題なわけですが。やはりキャラの魅力が必要となります。
主人公の状況はありがちといえばありがちですが、それだけに読者の共感を得やすい感情の起伏があります。最初に述べた一話ごとの起伏として上手く機能している。
また、周囲のキャラも魅力があり、読者を引っ張ってくれます。
青春を駆け抜ける爽快感が、ここにある。

野球用語?いいえ、野球選手の日常用語です。

  • ★★★ Excellent!!!

野球用語の説明って、どんなものかと思ったら、野球をたしなむ人が普段使う独特な言葉の説明でした。

この考えは無かった!

野球をやったことないけど、野球の話が書きたい!という人に嬉しい辞典。

読んでいてほんわかしました

  • ★★★ Excellent!!!

三田先生の他作品で先生の作品に興味を持ち、ここで作品が読めると知って拝読いたしました。
猫さんも可愛くて終始ニコニコしながら読みました。
続きも気になりますので、読めたらうれしいです。
レンタルマギカ気になっていた作品でしたが未読だったので早速購入して読もうと思います。
楽しい時間をありがとうございました。

愛ってなんだい

  • ★★★ Excellent!!!

第1話を読み終えた時点では、筆者のたしかな描写力に驚きながらも、筋としてはありきたりな同性愛物だと思っていました。でも読み進めていくうちにそれが間違いであることに気付きました。
そして、いつしか僕の中からは「誰が男で、誰が女」なんて意識が消えていて、ただそこには拓海と花絵とヒロと優がいました。筆者が異性愛に対置させる事で同性愛を引き立たせるようなありきたりなやり方ではなく、4人の「人間」の気持ちが絡み合う四重奏を奏でた事に最大の敬意と心からの賛辞を贈りたいと思います。
BLでもGLでもNLでもなくて、これはLoveの物語で、GLは好きだけどBLは、とか、NL要素がBLに入ると嫌、みたいなそんなジャンルの意識から解き放たれて読む事を広くお勧めしたいと思います。