歩き、交流し、広がっていく広大な世界にワクワクが止まらない
- ★★★ Excellent!!!
主人公である『運び屋』ヴィクターが、都市アグアノスを拠点として野を越え山を越え、依頼された荷を人々や場所に紆余曲折を経て運んでいく物語です。
単純かと思いきやそうではない。護衛や出会いによって繋がる、『縁』というものを強く感じさせられるのです。
人々ってこうやって繋がっていくんだな、とか、こんな出会いも起きるんだ、という些細ながらも大事な部分を思い出させてくれました。
そこにはきっとヴィクターのもつ豪運もあるのでしょうが、しかし物語はかくあるべし、と思わされます。
ヴィクターを中心に広がる繋がりもさることながら、背景に描かれる世界観も秀逸です。
文化があり、国があり、住まう土地があり、そしてそれらはゴブリンやオークといったファンタジーならではの種族にも存在している。そんな当たり前をやはり再認識させてくれました。
その他にも加護といった要素もチラリと見受けられ、興味深くて仕方ありません。
広大な世界とその世界を歩いて縁を広げるヴィクターの旅路、オススメです。