祝福のフィナーレ

辺境伯の位を持つローレンス家の子息、ヴィル・ローレンスが原因不明の病にかかった。
あらゆる医師が彼を診たが、原因がわからないため治せる医師はいなかった。

平民のリリは、王宮の使用人だった。
隣国から嫁いできた少女、オフィーリア王妃に選ばれて王妃の傍仕えとなる。
王宮で孤立しているオフィーリア王妃の名を上げるため、傍仕えである自分が功績を立てようとリリはヴィルの介抱を引き受ける。

療養先の屋敷に住み込みでヴィルを介抱しているうちに、互いに惹かれていった。
ヴィルが完治してリリが王宮に戻ったあとも、ヴィルは好意を示す。

しかし、ヴィルにはロゼッタ王女という婚約者がいた。国王の娘であるロゼッタ王女を敵に回せば、王族の大半を敵に回すことになる。そうすれば、オフィーリア王妃の立場が危うくなってし…続きを読む