こだわりのある迷宮奇譚

 最初は難解語の羅列にびっくりするものの、さすがはお上手。
 しっかりとスラスラと読めます。
 <愚帝の霊廟>から主人公の狗使いはヒロインと共に脱出を計画し、実行に移してから段々とスピードが上がっていきます。
 迷宮の細部や使用する道具にまでこなれた描写があり、怪物が顕現する前の出現する靄など臨場感たっぷりです。
 かつての仲間たちは皆、脱出に失敗。迫りくる大人たちの追跡から逃れ、無事に地上を辿りつけるのか。
 バターたっぷりの麦粥が貴重でなくなる日がくるのか。
 楽しみに待ってます。

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