迷宮は潜るより、戻る事の方が難しい。

『異世界居酒屋「のぶ」』や、『邪神に転生したら~』の蝉川夏哉先生の新作は、ダンジョン脱出物であった。

 ダンジョンと言えば、トルネコの不思議のダンジョンやら、風来のシレンやらの、いわゆる、ローグライクゲームと呼ばれるものがある。
 この手の”ダンジョン”、潜るだけなら結構潜れるのだ。
 ただ、帰る事が難しい。
 どれだけ潜って、どこまでで帰還するか。

 それに少しでも失敗したら――ゲームオーバーである。

 それに似た、シビアな妥協なしの”空気”を、この作品からは感じとれる。

 ヒロインエナは、ゲームオーバー一歩手前で、主人公アリルと出会うことが出来た。
 これからどう脱出するのか、追手をどうかわすのか、毎週が楽しみでならない。
 期待大である。