読後から少々経っているのですが、何回思い出しても大好きなのでレビューしに参りました。あらすじとしては今も昔も愛されるテーマかと思いますが、それを端的に、けれど充実した語りで、美しく、せつなく、愛おしく描いています。繰り返される台詞回しと、名前についての描写が個人的にお気に入りでした。是非読んでください。
短いながらも深く胸を打つ作品です。目の見えない奴隷となった姫君と、彼女を食べるために攫ってきた魔王のほんのひとときの物語。この少ない文字数に込められた数々のドラマ。その美しさ。儚さ。そして残酷さ。いやはや、脱帽です。とにかく読んでみてください。
詩的で心を打つ。シンプルに強い文章力
この作品に関しては、あまり多くを語るのは無粋というものでしょう。字数にして5000字に届かない短編ですし、読むのに時間は必要ありません。 だからこそ、ただただ、一読をお勧めします。
とても心を揺さぶられました。僕にこの作品の魅力を語る言語力はありません。それがとても悔しいく情けないですが、しかし読み終わった今も強く心のどこかをえぐられたように、それでいて何故かとても暖かい気持ちです。僕のレビューを読むよりも、とにかく本編を読んでください!!
生き物が生きていくためには食事が必要。 魔王にとって人間は餌である作品世界で、ソーレディ餌であることを望ませたものは何なのか? 同族の人間。 生き物は基本的に生きることを望むものなのい、死を望むようにさせたのは誰なのか? その者こそがもっとも残酷な存在。 そしてその状況下で、安らぎを望むものを愛した魔王。魔王に愛情を教えたソーレディの美しさが、なんとも切なく悲しい。
容易に光景が想像できる無駄のない描写。状況や設定の説明も自然で、とても素晴らしく思います。彼女が思う自分の価値と、魔王が思う彼女の価値に歩み寄ることができたなら。ソーレディが歌う歌。その意味よ、届いて欲しかった。
穢されてもなお穢されることのない意志を持った姫君。高い知性と人を思う心を持った魔王。悲しくも美しいお話です。
魔王は、奴隷へと堕とされた盲目の少女をさらってきた。美味そうに肥えたら食らってやる、と魔王では少女に告げる。その時はいつ訪れるのか、それは魔王自身にもわからない。楽園のような日々は魔王の心に不思議な安らぎをもたらすが……。ほの暗く、幻想的で、儚く、ひどくロマンチックな魔王の物語。救いがなくて残酷で、だからこそ魅力的で惹き付けられた。
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