このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(277文字)
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(273文字)
自分にはこの作品に登場するヒロインのような趣味嗜好は無い。だから、読み始めは遠巻きから距離を取って見ていたと思う。ただ読み進めていくうちに、ヒロインの言っていることや、やりたがっている事に違和感が無くなって、むしろ魅力的なものなんじゃないかと思えてくる。夢の中のような世界から現実に引き戻された時にようやく自分がヒロインを至近距離で見ていたのに気付く。再び距離を取るも、ヒロインの狂気や異常性が美しくて、読み終えた今は取り残されたような気分でいる。この作品はヤバい。
読み合い企画から来ました!「もしかして、本当に食べたことあるんですか?!」と聞きたくなるくらい、素晴らしい表現の数々。彼女にとってそれは、画家が絵を愛することと、音楽家が音色を愛することと、何ら変わりのない行為だったのでしょう。文章を読んでいる時の興奮はとても筆舌に尽くし難いものでした。作者様に感謝を!
社会の規範から外れた行いに魅入られてしまった人間が、そう至るまでの切り込み方と過程の詰め方が真に迫る物があって読み応えがあった。連綿と続く欲望の成就を妨げる世界に対しての不平不満を垂れながら、やがてそのブレーキが効かなくなるまでを含めて、ですね。食欲と性欲は等しく語られがちですが、咀嚼周辺の描写はそうした生々しさを覚えるそれだったとも言えます。
彼女の思いと同意する部分も多く、グロ映画好きにはピッタリですね♪
ご馳走様でした。