本編を読了したところですが、一気に読みました。ただただ面白かったです。ディストピアな未来世界のように見えつつ、それが増殖した「横浜駅」に支配されているという絶妙な日常感が妙にツボにハマりました。弐瓶勉の「BLAME!」や「シドニアの騎士」が好きなので、メガストラクチャー対人類という構図も熱かったです。できれば、北海道や九州の戦いをもっと読みたかったです。あと、出てくる用語のネーミングが素晴らしい。お気に入りは「スイカネット」です。実はもっと遠大な物語だったのではと思っています。番外編でもいいので、語られなかった物語を読めるのを楽しみにしています。
どこを評価していいのか分からないけれどもどうにかして評価したくなる。そんな感じの作品です。
横浜駅がBLAME!の都市みたく増殖している時点で一発ネタかよ!!な状況ですが、実際一発ネタです。あらゆる単語が聞いたようなものを明らかに間違った用法に置き換えられ登場してます。なので、この作品が凄いのは、それを最後まで読ませる勢いにあるのでしょう。
作中の時間経過は5日間。それだけの間に主人公は幾つものちょっとした冒険をしていきます。我々読者は神の視点から、彼とは異なる意味での驚愕を繰り返していく。ツッコミ入れながら。
適度に緩いちょっとした冒険行(いえちょっととはとても言えませんが……)のおかげで、私たちはよそ見している余裕があります。のんびりと、異形の横浜駅観光としゃれこもうじゃありませんか。