概要
その一万円、プラス10円で買い取らせてください。
ぼくと土樹は保育園時代からの親友だ。家も近いため、中学生になった今でもよくお互いの家を行き来する。
けれど、充実した学生生活を送りたいという理由から中学校では親友ということを隠していた。
中学入学から3ヶ月。努力の甲斐あって土樹との関係もバレずに安穏とした学生生活を送っていると、ある噂が流れ出す。
『一万円札を買い取ってくれるところがあるらしい。
プラス10円の、10010円で』
中学生から見たら10円は大金だ。もし本当ならばぜひとも買い取って欲しいのだが、そこになにかないはずがない。
「偽札かもしれないんだ」土樹はそう言った。
偽札か。だったら素直に納得できるのだが、そんなわかりやすいことをするだろうか?
「なあ、『名前矛盾』」
ああ……。
その別称を言ってしまったら、
けれど、充実した学生生活を送りたいという理由から中学校では親友ということを隠していた。
中学入学から3ヶ月。努力の甲斐あって土樹との関係もバレずに安穏とした学生生活を送っていると、ある噂が流れ出す。
『一万円札を買い取ってくれるところがあるらしい。
プラス10円の、10010円で』
中学生から見たら10円は大金だ。もし本当ならばぜひとも買い取って欲しいのだが、そこになにかないはずがない。
「偽札かもしれないんだ」土樹はそう言った。
偽札か。だったら素直に納得できるのだが、そんなわかりやすいことをするだろうか?
「なあ、『名前矛盾』」
ああ……。
その別称を言ってしまったら、