チートはやっぱり、人助けに使うに限る

　三重県平田町。駅を出てすぐ、おでん横丁と書かれた看板を潜った向こうに存在する「不思議通り」。

　たった四軒だけ店が並ぶ小さな通りなのだが、その店主は揃いも揃って異能を使う、なんとも癖が強い連中だ。

　時間を操る時計屋。万物を創造する複製専門店。魔法を販売するマジック専門店。魔法使いを生むおもちゃ屋。

　たった四人なのだから、お互いに仲良く助け合い、不思議通りの活性化に向けて尽力すればいいのに、彼らは自らこそが最高と言い張り、他を認めようとしないのだ。

　顔を合わせれば喧嘩の日々。今のところ牽制程度で済んでいるが、今後どうなるかわからない。まだ僕がいる時だと仲裁もできるが、僕だって毎日不思議通りにいるわけじゃないのだ。

　寝ている最中に本気を出されて、そのまま地球がなくなってしまう…続きを読む