概要
「覚えていてくれたんだ」その一言から始まる静かな恋。
やがて訪れる不安と沈黙を越えて、冬の街路樹の灯りの下、ユイは想いを告げる。
——小説のヒロインではなく、あなたのヒロインになりたいと。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あなたの物語のヒロインは、すぐ隣にいるかもしれません。
「物語を紡ぐ人」と「その物語の読者」という関係性が、やがて「互いの人生のヒーローとヒロイン」になるという構成が、非常にロマンチックで感動的な物語。
物語の冒頭と結びが、冬の街路樹のライトアップというロマンチックな情景で繋がっているのが秀逸な作品。
特別なことではないけれど、自分だけが知っていることが、想いへと変わるきっかけになる描写が繊細で美しいです。
最後のユイの勇気ある一言が、物語全体のクライマックスであり、カタルシスを感じさせます。
カフェでいつもPC広げてる、そこのあなた、いつも見てる人がいるかもしれませんよ?気付いてあげて下さいね。
おすすめです! - ★★★ Excellent!!!日常の延長にある小さな奇跡
舞台はありふれたカフェ。
登場人物は店員と常連客。
そこに交わされる何気ない言葉や仕草が、少しずつ物語を温めていきます。
ほんの一言、さりげない気遣い。
差し出された小さなもの――
それらが積み重なることで、人の心は確かに動いていきます。
その自然な流れが心地よく、読んでいるうちに日常の中に隠れている奇跡を探したくなる気持ちになります。
季節の移り変わりとともに、ふたりの距離感が変わっていく描写。
秋の冷たい雨、そして冬の灯り。
それらが心情を静かに映し出し、最後にはやさしい温もりを残してくれます。
結末の一歩手前で投げかけられる言葉は、読者にとっても思わず胸が高鳴ります。
その答えは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いつもの
会社の後輩。
アヤカさんは、資格マニアだ。
賢く、勤勉なので、サクサクと資格を取りまくる。
いつも、行きつけのカフェで試験勉強。
カフェのお姉さん。
いつものですね。
グランデのアイスの何とかフラペチーノの何とかマシマシ。
得体の知れないオーダーを覚えられた。
カフェで常連。
いつもの。
ソレで通じるの、憧れますよね。
このお作品。
カフェのお姉さん、ユイ。
常連の物書き、リク
2人の物語。
ユイは毎週末、窓際でPCを打つリクが気になった。
「ディカフェのショット2倍、氷抜き。いつものですね」
彼がオーダーするとき、ユイは思い切って、そう言った。
心臓をドキドキさせながら。
短い物語の中で…続きを読む