概要
蝶になれば皆、美しい。
死者の魂は蛹になり、羽化して蝶となれば来世へ飛び立つ。
蛹石(さなぎいし)と呼ばれるその石を次の生へと導く存在。それが、羽化師と呼ばれる人々だ。
やんごとなき娘は御簾の奥で慎ましやかに暮らすべきもの。
そんな貴族社会の末端に生まれ落ちながらも、羽化師となって魂蝶寮(こんちょうりょう)で働くことを夢見てきた綾埜(あやの)はある日、蛹石泥棒と鉢合わせてしまう。
絶対に奪われてなるものかと抵抗する綾埜を前に、なんと盗人の男は、綾埜ごと蛹石を盗むのだった。
颯と名乗った盗人は「魂蝶寮の真実を見せてやる」と言い、綾埜を蛹石の夢の中へと強引に誘い込む。
彼はどうやら、二年前に魂蝶寮を除籍になった罪人らしい。
最初こそ颯を胡散臭く思っていた綾埜だが、共に蛹石の羽化を繰り返すうち、立場を異にするはずの二
蛹石(さなぎいし)と呼ばれるその石を次の生へと導く存在。それが、羽化師と呼ばれる人々だ。
やんごとなき娘は御簾の奥で慎ましやかに暮らすべきもの。
そんな貴族社会の末端に生まれ落ちながらも、羽化師となって魂蝶寮(こんちょうりょう)で働くことを夢見てきた綾埜(あやの)はある日、蛹石泥棒と鉢合わせてしまう。
絶対に奪われてなるものかと抵抗する綾埜を前に、なんと盗人の男は、綾埜ごと蛹石を盗むのだった。
颯と名乗った盗人は「魂蝶寮の真実を見せてやる」と言い、綾埜を蛹石の夢の中へと強引に誘い込む。
彼はどうやら、二年前に魂蝶寮を除籍になった罪人らしい。
最初こそ颯を胡散臭く思っていた綾埜だが、共に蛹石の羽化を繰り返すうち、立場を異にするはずの二
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この世の未練を夢のなかで断つ! 平安ファンタジックラブストーリー。
平安時代。
人は死ぬと、魂が〝蛹石(さなぎいし)〟となり、〝蛹石〟から蝶が羽化して、魂(=蝶)が来世へと旅立つことができる世界。
〝蛹石〟のなか、つまり死んだ人の夢の世界にはいって、その人の未練を断ち、羽化を導くのが〝羽化師(うかし)〟
れっきとした、国のおかかえのお役人だ。
さて、その羽化師で、ごく少数派、女性ながら羽化師をつとめる綾埜(あやの)は、ある日、〝蛹石〟泥棒の青年、颯(かえで)の犯行現場に立ち会ってしまう。
そのまま、颯に誘拐されてしまう綾埜。気が強い綾埜は、泥棒に屈することはない強い女性だが、楓は、ただの泥棒にしては、訳ありのようで………?
気が強いヒロイン✕ミステリアス…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人の心に宿る闇に寄り添い、解き放つ和風ファンタジー
死んだ人の魂は蛹《さなぎ》となり、それは蝶となって次の世に飛び立つ。
ただし、すべての魂が蝶となるわけではない。
蛹石《さなぎいし》と呼ばれる石を次の生へと、魂が蝶へと羽化するために導くのが羽化師のお仕事。
物語に触れて、まずこの神秘的な世界観に惹かれました。
平安時代風の都を舞台とした和風ファンタジーですが、平安京といえば煌びやかな光の一面と、飢饉や病など、すぐ近くに死がある闇の一面と感じます。
羽化師である綾埜《あやの》は下級貴族の娘。
この時代、妙齢の女性は良家に嫁ぐのがならわし、そして女性の羽化師はめずらしいのです。しかし、真っ直ぐな気質の持ち主である綾埜は羽化師の仕事に…続きを読む