マリエルさんは前世で社畜かつ切ない痛みを経験した転生者。
そんな彼女は第二の人生で様々な材料と魔力を秘めた魔石、魔道具師自身の魔法によって作られる魔道具なるものを作っていました。
ある日、彼女と幼馴染のギネスくんのいる村に魔物と手負いの騎士団さんたちが!
そこで彼女の魔道具である製水機の水を飲んで感動したとある人物から、製水機の増産依頼が届いて…?
過去の傷を今いる人たちの優しさと努力で彼女の乗り越えんとする姿勢と、魔道具師として頑張る姿。是非ともご覧ください。
更に見逃せないのが恋の行方!果たして彼女が見つかる第二の人生とは!?必見です!!
転生したヒロインが魔道具師として活躍していく物語です。
と、それだけ聞けば良くある話のように思われるかもしれません。
確かにストーリーラインだけ見れば王道テンプレものかも。
でも、この物語の本質はそこではなく、周りの人達の幸せを願うヒロインの優しさと、彼女を取り巻く人々の優しい心です。
そうした人々による温かい物語こそがこの物語の本質でしょう。
魔道具師と言っても、前世の知識を使って万能アイテム、などと言うのではなく、地味で、でも、使う人達のことを一番に考えたアイテムで、少しずつ便利にしていく。
また、恋愛ものを得意とする作者さんならではの二人の青年との恋物語も見どころです。
是非読んでいただきたい作品です。
全30話読了してのレビューです。
現代日本で悲劇的な死を遂げた主人公が異世界転生するといった王道ものですが、本作には作者様の紡ぎ出す世界観がいかんなく発揮されています。
恋愛名手の作者様です。大人っぽい、静かで優しい雰囲気が全体を通じて感じられます。
主人公はマリエル、魔道具店を営む父親と暮らす一人娘で、自身も魔道具師になるために勉強している頑張り屋さんです。
前世の経験からか、彼女はとても性格がよくて、しっかりものながらおっとりしていて、ななかなに鈍感なところも。
恋愛要素もそんな彼女を中心に展開していきます。
相手となるのは幼馴染の少年ギネス、そして辺境伯の息子で騎士団長のセシウスです。
幼馴染と貴族青年の間で板挟み、なんて想像するだけでわくわくしてしまいますが、さて実のところは?
作者様らしい展開が待っています。ぜひ読んでみて確かめてほしいです。
総じて、本作はマリエルの成長譚であり、魔道具師と恋愛、両面で彼女の魅力が詰め込まれています。
なお本作はコンテスト参加作品で文字数数制限のため、「いやいや、ちょっと待って!まだここからなのに!」といった次なる期待感も抱かさせてくれる終幕になっています。
全30話、とてもコンパクトな仕上がりで読みやすいのも特徴です。是非もこの機会に一読をおすすめします。
恋にはちょっと鈍感な、前世を持つヒロインと、恋のお相手候補ふたりとの、暖かでときめくサクセスストーリーです。とても引き込まれるし面白いです。
ある日、ヒロインと幼馴染の男の子は魔物に襲われ、初めて本格的に使った魔法で、命からがら倒します。さらに、ピンチになっていた辺境伯騎士団を救うことができ、そこから大きく人生が変わっていきます。
ヒロインは魔導具師として、男の子は魔法使いとして辺境伯騎士団で、飛躍していくのです。その中で、辺境伯子息と男の子がヒロインを思って少しずつ動くのですが、ヒロインは全く気づかない。
そこが好感でもあり、じれじれでもあり、目が離せないところでもありました。さらなる活躍をしそうなヒロインの恋を見るのが楽しみですし、続きが読みたいです。
前世があまりに不憫で同情を禁じ得ないヒロインが、記憶を持ったまま転成して今世で幸せを掴むサクセスストーリーのひとつじゃないかなと感じました。
前世の悲惨な記憶を持っていると言ってもヒロインは決して卑屈ではなく前向きです!
ヒロインはもちろんなんですが、一部を除いて登場人物が皆さん優しく、世界観全部も優しげで頬笑ましいんです。
個人的な見所としまして、穏やかで誠実で仕事ができる騎士団長と、昔から想ってくれている優しい幼なじみ、そのどちらと添い遂げるのかと、ずっと夢中でした!
ただ、ヒロインが優しくて謙虚で心清らかな凄く魅力的な女性なのですが、それ故にオットリしていて鈍感なところもあるので、男性陣に同情したところもありました(笑)
私、実は転成や異世界ものに疎いのですが、本作はずっと頬を緩めて読めました!
異世界転生ものと構えずに、辛いことがあった女性が、優しさに包まれながら成功を掴む物語でもありますので、そういったストーリーが好きな方、どうかご一読のほうをよろしくお願いいたします!!
過労死した社畜OLが異世界で“魔道具師”としてやり直す物語――その設定だけでも心を惹かれますが、本作『魔道具師マリエルのやり直し生活』の魅力は、静かな優しさと情緒の機微に満ちた描写にあります。水を生み出す製水機や車椅子など、魔道具を通じて誰かの役に立ちたいというマリエルの姿勢は、まるで丁寧に入れたお茶のように、読む者の心をじんわり温めてくれます。
とりわけ、「自分のお客様」から初めての依頼を受けた場面では、過去の痛みを抱えながらも一歩踏み出そうとする彼女の芯の強さが眩しく、胸がじんと熱くなりました。淡い感情に揺れる恋の予感も、あくまで繊細で、そこにあるのは“ときめき”ではなく、“赦し”と“希望”なのかもしれません。
これは、静けさの中に灯る希望の光をたどる、心の再生の物語です。