概要
追放&生け贄のどん底から、まさかの契約結婚で幸せになっちゃうわよ!
私は小瑠璃。平鹿郡の地頭、清藤義澄の長女、18才。行き遅れ継続中。何不自由なく暮らしていた私は、事件に巻き込まれ土蔵に入れられ、その上、父様から「お前は生け贄だ」と城から追放されちゃいました。マジ? 私に声を掛けてくれた武士は熊みたいな髭男だけど、確かどっかで見たことあるのよねえ。落ち込んでなんかいられない。化け物の生け贄になるまでの間、私はやりたいことをするんだからね。あれ? いつの間にか、私……。
和風ドタバタ&ラブコメファンタジーの開幕です。
和風ドタバタ&ラブコメファンタジーの開幕です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!奔放な笑顔が紡ぐ歴史の異彩
平安末期を舞台にした本作には、物語を深く、そして豊かにしている二つの大きな魅力があります。
まず心を惹かれるのが、ヒロイン・小瑠璃の人間的な魅力。
彼女は自分で自分のことを絶世の美女と言い張る、思わずクスッと笑ってしまうような一面を持っています。
ですがこの物語が本当に描きたいのは、彼女の外見ではなく内面の素晴らしさなのでしょう。
困っている人を見過ごせない優しさや、どんな逆境でも笑い飛ばせる強さには、誰もが惹きつけられます。
幼馴染の九郎との関係も恋愛というよりは互いに支え合う深い絆として描かれており、二人のやり取りを見ているだけでとても温かい気持ちになれます。
そしてもう一つの魅力は…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生贄にされた小瑠璃が紡ぐ、人のぬくもり
「愛され」というタイトルに反して、男女の甘ったるさというよりも
人と人のつながりや、鎌倉時代を生きるリアルさがじわじわ胸に沁みわたります。
もちろん、追放した継母や意地悪な異母姉妹は“性格、救いようなし”な安定の悪役ぶり。
懲らしめの瞬間はまだ先ですが、物語の行間に漂う“幸せの予感”に、安心してハッピーエンドに身を委ねられそうです。
この作品は読むと、土と麦湯の香りごと鎌倉時代に連れて行ってくれます。
醜女を理由に生贄担当の領地に差し出されたもの、前向きに生き周りに気を使う小瑠璃。
彼女に身を重ねて読めば、自分も自然と背筋が伸び、“愛され”肯定感が満たされていきます。