第二十三話 戸波砦の仲間たち
「……なんや、これ」
商人である『
黙ったままの私たちを見て、
「……本物や」
それを見ていた九郎が口を開きます。
「
「よぉ集めたな。そやけど、この
何を怪しんでいるのかしら? 私は床をバンバンと叩いて答えます。
「
あっけにとられた表情で
「さよか。
「ほな、あの品物は全部、ジブンのもんや、九郎。好きにつこたらええ」
そう言うと、
「九郎……いえ
そう言うと、九郎(=
九郎は黙ったまま、
「私の
周りで見ている
「
「ははっ」
顔を上げた瞬間、九郎と
「なんや、
私は
「ば、馬鹿! ちがうわよ。……何だか、二人が遠くに行っちゃう気がしてさ……」
その瞬間、
「相変わらずの
そう言うと、ぎゅうっと私を抱きしめるのです。ほらあ、これなんだよ……。
九郎! 九郎! 早く助けて!! あかねちゃん!!!
それなのに、みんな笑ったままなんです。ひどくない?
この日、
名前は
§
その夜、
「なかなか
本当にそうだよね。それを聞いて、私は自分のことにのようにうれしくなります。
私はそっと席を立ち、あかねちゃんに合図を出します。あかねちゃんは
「イネさん、これ食べて。
「ありがと、
「いいの、いいの。いっつもお世話になってるからね」
そりそりとイネさんは
「
笑顔が顔いっぱいに広がってる! よかったあ。
「うん。
「無理矢理……」
私のお
一口
「
次々とご飯が減っていくのを見て、イネさんは目を丸くしています。
「まあ、治療だから無理にでも食べないとね」
ふふんという顔でイネさんに答えます。すると、イネさんは
「ね、
「わあ、きれい。これ、どこの神社で?」
イネさんは砦から出かけられないから不思議です。
「これはね。裏の神社に来る
「でも、イネさんのお守りがなくなっちゃうんじゃ?」
「わしは、もう一つ持ってるから大丈夫」
そっかあ、お
「ありがとう、イネさん。
イネさんは
その日から、私がイネさんを
「ずっと、きれいにしたかったんだよ。
「そんな大げさだよ。さ、イネさん、行こ!」
よいしょとイネさんを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます