水底のイデオロギー

天変地異、社会的困難があまりにも多すぎる昨今。
多種多様な種族が共存する世界では今日もそんなことはお構いなしに時が過ぎていく。
かつて異種族間で起こった大規模な戦争の負の産物「第六世代戦争孤児」
その生き残りだけで結成された小規模な少女チーム"カモミール"
そんな大層な背景とは裏腹に彼女らもまた世界の流れに身を任せる浪費者のはずだった。
しかし彼女らが彼女らたらしめるための我儘な行動は狙わずとも徐々に世界を変えていくこととなる。
思わずメンバーの一人であるシグレはぼやいた。

「別に英雄になろうだなんて気持ちは1ミリもねぇんだけどな」

そう言い捨てる彼女は標高7000mを超える遥か上空、地上から地上へと落下している最中であった。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません