人は、ふとした瞬間に“優しさ”というものを垣間見るものですが……作者様はタイトルも含め、それを物語ってらっしゃいます。もし心が疲れてらっしゃるのなら……ぜひお読みください(*^。^*)
部屋が汚くて、奥さんに逃げられて、借金をしていて、そして前歯がないおじさんと主婦の「私」との近所づきあいを描いた一人称小説。繊細だが簡潔な語り口に引き込まれて一気に読んでしまいました。おすすめです。
生きる上で日常に起こる、さまざまな出来事。その中の、過去の一瞬を丁寧にすくい取った話。穏やかな話の中に、好ましい人もそれ意外の人も、よく知らない人も出てくる。まさに人生、人との出会いを感じる。
危ういバランスの上に、確かに存在した真情と真情。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(1041文字)
隣のおじさんは…いい人?悪い人?おじさんの話にあっという間に引き込まれて全話読んでしまった。最後は…胸の奥がむきゅっと締め付けられました…
一緒に住んでいるわけでもない人たちと接する時間は、生きている時間の中ではほんのわずか。長い人生という時間から見たら、瞬き一回分ほどの。出会った時の挨拶での「こんにちは」の言葉ほどの時間に起こった、おじさんと作者様との出来事をつづられたお話。どれだけ時間が経とうが消えない、ふと浮かび上がってくる存在や思い出がある。「また、いつか」笑顔とそんな言葉が心に残るエッセイ、皆様におすすめいたしたく思います。
人生の中で少しでもこういう出会があれば幸いである。そして作者はその幸福をエッセイを通して我々に分け与えてくれる。
人間というのは厄介で、簡単に善人と悪人に分けることはできない。普段優しい人が、突然爆発することもあるし、悪人が、ふと思い至って良いことをすることもある。このエッセイは、そういったことを考えさせられる良作です。文章も丁寧なので、色んな方に読んで欲しいと思い、レビューを書かせて頂きました。
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