何って美しい話だろう

愛らしくおっとりした桜の樹。彼女が歩んだ数奇な運命と、由利清三郎という青年との物語です。
桜の樹の「小百合」の語り口が美しく、引き込まれる世界観と文章が魅力的です。そして、もちろんハッピーエンドなのですけれど、堰かれる恋心を描いた切なくて苦しいお話でもあります。
あっ、とさせられたのは一番最後の結末。苦しいままで終わるかと思いきや、差し込む一筋の光明。
明治大正ロマン好きや時をかける恋がお好きな方に絶対オススメの作品です。

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