悲しくも愛しい、人でなし夫婦のあてなき道中記

世は戦国から離れ、泰平の世。
『草薙衆』と呼ばれる、妖怪の専門家として仕事をしている信太郎は、山姥退治を奉行所の与力から依頼される。
『山姥』というだけで退治しろと命じられ、信太郎は気が乗らなかった。
そんな彼の話を、妻の永はただ話を聞く。そんな妻に、感謝する信太郎。
そして彼は、山へ向かい、山姥と対話することに。山姥は子どもを守っている無害な妖怪だった。その事を知った信太郎は、彼女たちを守ることにする。
しかし与力は、山姥を徹底的に排除しようとする。信太郎たちは解決方法を探るが、そこで事件が起きる……。

妖怪にも無害なもの、人の助けになるもの、神のような存在もいる。
しかし、妖怪の敵である自分とは相容れない。
認められたい、愛されたい、愛したい、許したい。
けれど、人の法と妖の理は違う。はたして、人と妖の行方は――