善悪を、生き方を、誰が教えてくれる? 考えるしかない

『戦え』という命令の元、堕天使も天使も殺し続けてきた"それ"。
"それ"は断罪される前に、とある人物によって止められる。
そしてスキルを奪われ、「下界に降りて人の子として生きろ」と命じられる。

「人間として二十年、『良い子』として過ごせば、スキルを返す」

『良い子』……良い子ってなんだ!?
断片的に定義を伝えられた"それ"ことリチャードは、優しく幸せな家族に囲まれながら、周囲にある様々なものを認識していく。
そんなある日、彼は義妹エイダと出会うことになり、うんざりしつつも『良き兄』として接していく。

しかし『良い子』は、歳を重ねるごとに定義が変わっていく。
悩むリチャードは、寄宿学校でジャックと出会う。彼を『とても良い子』だと思ったリチャードは、彼の行いを真似することに。
ジャックと友好を深めて行ったリチャードはある日、ジャックの夢を知る。

「リチャードは、大人になったらやりたいことはあるのかい?」

二十歳になればリチャードは、天使の部下として働く運命しかない。
そんな中、エイダは「誰かに見られている気がする」と打ち明ける。彼女の手にあったのは……。

はたして、天使の言う『良い子』は、本当に『良い子』なのか。
堕天使は『悪』なのか。続きが気になります。