勇者の孫は勇者になりたかった

勇者ナイトハルトにより魔王の頸が刎ねられて六十年。
しかし平和は訪れず、未だ帝国は魔王軍残党との小競り合いを続け、国は腐りきっていた。
そんな中、ナイトハルトの孫であるレオンハルトは勇者になろうとするも挫折。最底辺である奴隷兵に身を墜とした。
ある日、知らない宿屋で目を覚ましたレオンは隣で寝ていた公爵令嬢を名乗る女ヴィオラに脅迫され、このまま奴隷として野垂れ死ぬか彼女の下僕となり帝国を滅ぼすかの二択を迫られる。



「俺は”勇者の孫”じゃない。レオンハルト・ノットガイルだ！」



────これは勇者になりたかった男、レオンが”本当の”勇者になる英雄譚である。