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概要
※現在作品の一部を非公開で掲載しています
伝統文化保護都市――通称『古都』は、この国の古い伝統や文化を保護することを目的とした特別指定保護区である。住民はみな、それら伝統文化の何かしらを受け継いで暮らしている。
忍びである猪谷《いがや》家の三男、颯《はやて》は、まだ七つやそこらの頃、舞々《まいまい》である観是家の蝶乃《ちょうの》に出会う。
振り袖姿の蝶乃を少女と見紛った颯は、相手が男であると知って狼狽する。蝶乃はからかいつつも柔和に笑んだ。
「こない女の格好して前髪垂らしてたら、勘違いするのも無理あらへんね。けど、稼業やからしゃあないんよ」
蝶乃は、今は失われて観是家にのみ伝わる古い方言を使った。その物柔らかな言葉遣い。可憐な仕草。聡明な物言い。颯は蝶乃に幼い恋心を抱く。
以来、ふたりはつかず離れずの距離を保って友情を育ん
忍びである猪谷《いがや》家の三男、颯《はやて》は、まだ七つやそこらの頃、舞々《まいまい》である観是家の蝶乃《ちょうの》に出会う。
振り袖姿の蝶乃を少女と見紛った颯は、相手が男であると知って狼狽する。蝶乃はからかいつつも柔和に笑んだ。
「こない女の格好して前髪垂らしてたら、勘違いするのも無理あらへんね。けど、稼業やからしゃあないんよ」
蝶乃は、今は失われて観是家にのみ伝わる古い方言を使った。その物柔らかな言葉遣い。可憐な仕草。聡明な物言い。颯は蝶乃に幼い恋心を抱く。
以来、ふたりはつかず離れずの距離を保って友情を育ん
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