冒険は、人の生き方に在り
- ★★★ Excellent!!!
閉所恐怖症気味かつ方向音痴としては、『地下』の『迷宮』というだけでもドキドキしますが、そこに現れたものが『最強の剣士』となれば、これはもうワクワクの二乗というものです。
私はゲームをやりませんので、作者様が着想元と明記されているゲームの知識は全くありませんが、何の問題もなく楽しませて頂いています。
個性的で魅力的な登場人物たち、シリアス展開の中に挿入される癒しの日常風景、数百年のスパンで語られる世界と迷宮の成り立ちなど、緻密な構成が、作品世界に奥行きと広がりを生み出しています。特に、なぜわざわざ命の危険を冒して地下の迷宮に潜るのか、その生き方を選んだ『探索者』とはどういう人たちなのか、という主人公たちの根幹部分がしっかり語られているところに、説得力があります。
元ゲームをご存じの方も、そうではない方も、ご興味を持たれた方は、是非。