そっと手をさしのべて

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（133文字）

この作品は、社会の現実と個人と社会の道徳的なジレンマを扱っています。

現実に近いストーリーや内容、そして日常的な要素までを考慮して作成されているため、理解しやすく共感しやすいかもしれません。

個人的には、とても良い作品だと思います。

なにかがひとつかふたつ噛み合わなくなって、それによってただ普通に生きるということが途端に難しくなる——残念ながら現代ではこういうことがありふれているのではないでしょうか。本作で語られるサキの状況も、言ってしまえばものすごく特別なわけではない、誰にだって訪れ得るものだと思います。

本作ではそんなサキの周りに三人の人物が現れます。担任のジミケン、生徒会長のリク、そしてギャルのアユミ。状況を変える力を持っていたのは誰だったのか、実際に一歩を踏み込んだのは誰だったのか、それをぜひその目で見届けていただきたいです。私はとても大切なことをたくさん教えて頂きました。

そして同時にこれを美談にしてはいけ…続きを読む

ヤングケアラーをテーマにした短編。
本来なら、青春を謳歌しているはずの年齢の子が、身内の介護などに四苦八苦する。
その実態に加えて、友情の素晴らしさも描いている傑作です。
また、小説で表現するのが難しい音楽の描写を、高レベルで書き切っています。
文章力も高いので、ぜひ、皆様にも読んで頂きたいです！