流れ者たちのフロンティア　～Wonderers' Frontier～

　辺境の惑星『フロンティアⅫ』には、集落を渡り歩いて仕事をする『流れ者(ワンダラー)』という者たちがいた。その一人、『鍛冶師』のアディルは、相棒とともに、周囲から孤立した村を訪れた。長い間、鍛冶師が訪れていないというその村で、アディルは大歓迎を受ける。
　彼の世話役はウィステリアという幼さを感じさせる少女で、アディルに気があるそぶりを見せ、ずっと近くにいて、仕事を手伝い、可愛らしく微笑んでみたり、手で狐耳を作ってみたり、と気を引くために色々と頑張っていた。むしろ「襲ってください！」と言わんばかりだった。だが、アディルは手も出さない。彼は、圧倒的なまでに唐変木で朴念仁だったのだ！



　……そんな感じで始まる、ＳＦ短編となっております。
　とある新人賞に応募したものを、少し手直ししてお送りいたします。