第12話 毒の発見と対策
夜が更け、宮廷内は宴の余韻に包まれていた。貴族たちが帰り始める中、ジャンヌは自室で緊張を解きながら、今日の出来事を振り返っていた。
突然、扉がノックされ、ルシアンが慌てて部屋に入ってきた。
「ジャンヌ様、大変です!王妃様が再び体調を崩されました!」とルシアンが言った。
「何ですって?!」とジャンヌは驚き、すぐに立ち上がった。「急いで王妃様のところへ行きましょう!」
ジャンヌとルシアンが王妃様の寝室に駆けつけると、王妃様はベッドの上で苦しそうにうめいていた。侍医たちが必死に処置をしているが、状況は芳しくない。
「どうして…こんなことに…?」とジャンヌが息を呑んだ。
「王妃様は宴の後、急に激しい腹痛を訴えられました。おそらく再び毒が使われたのではないかと…」と侍医が説明した。
「すぐに解毒剤を用意します。ルシアン、ロザリン、薬草園で必要なものを集めてきて!」とジャンヌが指示した。
「了解しました!」とルシアンとロザリンはすぐに動いた。
ジャンヌは王妃様の症状を詳しく観察し、前回とは異なる毒が使われた可能性があることに気づいた。今度は消化器系ではなく、神経系に作用する毒のようだ。
「王妃様、少しだけお待ちください。必ず助けますから」とジャンヌは王妃様に優しく声をかけた。
薬草園に戻ったルシアンとロザリンが、ジャンヌの指示通りに薬草を集め、解毒剤の調合を始めた。ジャンヌは手際よく薬草を刻み、必要な成分を抽出していく。
「ジャンヌ様、この薬草はどう使いますか?」とロザリンが尋ねた。
「これを煮詰めて、特定の成分を抽出するの。その成分が神経毒に対抗できるわ」とジャンヌが答えた。
「急ぎましょう。時間がありません」とルシアンが焦りながら言った。
ジャンヌは集中して解毒剤を作り、やがて完成した。「これで大丈夫。急いで王妃様に投与しに行きましょう!」とジャンヌは言った。
ジャンヌとルシアン、ロザリンが王妃様の寝室に戻ると、侍医たちが緊張した表情で見守っていた。ジャンヌは解毒剤を慎重に王妃様に投与し、様子を観察した。
「これで…効いてくれるはず…」とジャンヌは祈るように言った。
時間が経つにつれ、王妃様の苦しみが徐々に和らいでいった。顔色も少しずつ良くなり、呼吸も安定してきた。
「ジャンヌ…ありがとう…助かったわ…」と王妃様は微笑みながら言った。
「良かった…本当に良かった…」とジャンヌはほっとして涙を浮かべた。
その後、ジャンヌとルシアンは侍医たちと協力し、王妃様の回復を見守りながら、再度毒が混入された経緯を調査することにした。
「ジャンヌ様、この毒がどのように混入されたのかを突き止めなければなりません」とルシアンが言った。
「そうね。このままではまた同じことが起こるかもしれない。徹底的に調査しましょう」とジャンヌは決意を新たにした。
ジャンヌとルシアンは再びエルドリッチ商会に向かい、今回の毒の出所を調べることにした。商会の入り口に立つと、二人は深呼吸して心を落ち着けた。
「ジャンヌ様、今回も共に真実を追い求めましょう」とルシアンが言った。
「ええ、ルシアン。必ず犯人を見つけ出しましょう」とジャンヌは力強く答えた。
こうして、ジャンヌとルシアンの新たな調査が始まった。彼らは宮廷を守るために、再び全力を尽くすのだった。
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