第13話 謎の手掛かりと新たな展開

翌朝、ジャンヌとルシアンはエルドリッチ商会に再び向かった。商会の重厚な扉を開けると、昨日の出来事を思い返しながら、二人は奥へと進んだ。


受付でジャンヌが声をかけると、昨日対応してくれたジェラルドがすぐに現れた。


「おはようございます。昨日はご足労いただきありがとうございました。今日は何か新しい進展があったのでしょうか?」とジェラルドが尋ねた。


「実は、昨夜王妃様が再び体調を崩されました。新たな毒が使われた可能性があります。そのため、さらに詳しい調査を行いたいと思います」とジャンヌが説明した。


「それは大変です…どうぞこちらへ」とジェラルドが応接室に案内した。


応接室に通されたジャンヌとルシアンは、ジェラルドに今回の毒の詳細を説明し、製造部門への再調査を依頼した。


「この毒がどのようにして混入されたのか、もう一度製造工程を詳しく調べる必要があります。マルコスにも協力をお願いできますか?」とジャンヌが頼んだ。


「もちろんです。すぐにマルコスを呼んできます」とジェラルドが言って部屋を出て行った。


しばらくして、製造部門の責任者であるマルコスが現れた。


「お待たせしました。再びお力をお貸しすることになりました。どうぞご案内します」とマルコスが言った。


ジャンヌとルシアンはマルコスに連れられて製造部門に向かった。そこでは、忙しく働くスタッフたちが慎重に作業を続けている。


「まず、どのようにして毒が混入されたのかを確認しましょう」とジャンヌが言った。


「エリオットにも話を聞いてみましょう。彼は製造工程に関わっているので、何か知っているかもしれません」とルシアンが提案した。


エリオットが作業中の場所に向かうと、彼は真剣な表情で薬草を調合していた。


「エリオットさん、少しお話を伺いたいのですが」とジャンヌが声をかけた。


「はい、何でしょうか?」とエリオットが振り向いた。


「昨日もお話しましたが、新たに王妃様が毒に倒れました。製造工程で何か変わったことや不審な動きがなかったか、詳しく教えてください」とジャンヌが尋ねた。


エリオットは少し考えた後、「実は…最近、製造部門に出入りしている見知らぬ人物がいました。彼が何か不審なことをしているのを見かけました」と答えた。


「見知らぬ人物…?それはどんな人物でしたか?」とルシアンが問い詰めた。


「彼は黒いフードを被っていて、顔を隠していました。背が高く、体格が良かったです」とエリオットが説明した。


「その人物が毒を混入させた可能性が高いわね。彼がどこから来たのか、調べてみる必要があるわ」とジャンヌが決意を固めた。


ジャンヌとルシアンはエリオットの証言を元に、商会の出入り記録を調べることにした。ジェラルドが提供してくれた記録を確認すると、見知らぬ人物の動きが浮かび上がってきた。


「この記録によると、黒いフードの人物は最近頻繁に出入りしているわね。彼がどこから来たのかを突き止めれば、真相に近づけるかもしれない」とジャンヌが言った。


「そうですね。この人物が宮廷内の陰謀に関与していると考えるべきです。早急に調査を進めましょう」とルシアンが同意した。


その日の夕方、ジャンヌとルシアンは宮廷に戻り、王妃様に報告をすることにした。王妃様はまだ体調が完全には回復していないが、ジャンヌの顔を見てほっとした様子だった。


「ジャンヌ、ルシアン、調査はどうなっていますか?」と王妃様が尋ねた。


「王妃様、今回の毒は商会の製造部門に出入りしていた見知らぬ人物によるものと考えています。さらに調査を進めて、その人物を突き止めます」とジャンヌが説明した。


「ありがとう、ジャンヌ。あなたに頼りにしています。どうかこの陰謀を解明してください」と王妃様が願った。


「はい、必ず真相を突き止めてみせます」とジャンヌは力強く答えた。


その夜、ジャンヌは自室で新たな計画を練っていた。黒いフードの人物を追い詰めるためには、さらなる証拠と協力が必要だ。彼女は心の中で決意を固めた。


「ジャンヌ、これからも頑張るわよ」と自分に言い聞かせながら、新たな挑戦に向けて準備を整えた。


こうして、ジャンヌの新たな任務が始まった。彼女の知識と勇気が再び宮廷を救うために試される時が来たのだった。

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