第15話 陰謀の糸を解きほぐす

翌朝、ジャンヌとルシアンは早速宮廷内での調査を再開した。まずは、レオナルド伯爵の動向を詳しく探るため、彼の行動を監視することにした。


控え室に集まったジャンヌ、ルシアン、エドワード(書記官)、ロザリン、そして数人の侍女たち。皆の顔には緊張が浮かんでいた。


「みんな、集まってくれてありがとう。レオナルド伯爵の陰謀を暴くためには、彼の行動を詳しく監視する必要があります。」ジャンヌが切り出すと、全員が真剣な表情で頷いた。


ルシアンが続けた。「エドワード、あなたは書類や記録を調べて、伯爵がどのような指示を出しているのかを確認してください。」


エドワードは頷き、「了解しました。できる限りの情報を集めます。」


「ジャンヌ様、私はどうしましょうか?」とロザリンが尋ねる。


「ロザリン、あなたは宮廷内での噂や情報を集めてください。何か不審な動きがあったらすぐに教えて。」ジャンヌはロザリンに指示を出す。


「わかりました。すぐに取り掛かります。」ロザリンもすぐに動き出した。


ジャンヌは皆を見渡し、「私とルシアンは、直接レオナルド伯爵の動きを監視します。彼が何をしているのか、どこに行くのか、すべてを把握しましょう。」と宣言した。


宮廷内の廊下を歩きながら、ジャンヌとルシアンはレオナルド伯爵の執務室の周辺で彼の動きを監視していた。午前中の穏やかな光が廊下に差し込んでいる。


「ジャンヌ様、あそこにレオナルド伯爵がいます。誰かと話しているようです。」ルシアンが小声で言う。


「ええ、あの人物は…知らない顔ね。近づいて何を話しているのか聞いてみましょう。」ジャンヌが答える。


二人は物陰に隠れながら、伯爵とその相手の会話に耳を傾けた。


「計画は順調だ。次の動きを確実にするために、宮廷内の不満分子を焚きつける必要がある。」レオナルド伯爵の低い声が響く。


「了解しました。すぐに手配します。」相手の人物が答える。


ジャンヌは心の中でつぶやく。(やはり、彼は何か大きな計画を進めている…これは見逃せないわ。)


午後、再び控え室に集まったジャンヌ、ルシアン、エドワード、ロザリン、侍女たち。エドワードとロザリンが集めた情報を元に、次の行動を計画する。


「ジャンヌ様、伯爵の書類を調べましたが、いくつか怪しい指示がありました。特に、宮廷内での不満分子を焚きつける計画が記されています。」エドワードが報告する。


ロザリンも続けた。「私も噂を聞きました。伯爵は密かに支持者を集めて、何か大きな動きを計画しているようです。」


ジャンヌは考え込みながら言う。「ありがとう、二人とも。これで彼の計画の一部が見えてきたわ。次に、彼が具体的に何をしようとしているのかを突き止める必要があります。」


ルシアンが提案した。「ジャンヌ様、今夜、伯爵が秘密の会合を開くと聞きました。そこに潜入して、彼の計画を暴きましょう。」


ジャンヌは頷き、「それが一番の方法ね。私たちでその会合に潜入して、すべてを暴きましょう。」


夜が更ける中、ジャンヌとルシアンは変装して、レオナルド伯爵の秘密の会合に潜入するため、宮廷の地下室へ向かった。暗い廊下を進みながら、緊張が高まる。


「ルシアン、静かに。ここから先は本当に危険よ。」ジャンヌが囁く。


「わかっている。何があっても君を守る。」ルシアンが静かに答える。


二人は会合の様子を見守り、レオナルド伯爵の声に耳を傾けた。


「同志諸君、計画は最終段階に入った。次の一手で宮廷を完全に掌握することができる。」伯爵の声が響く。


「具体的には何をすれば良いのですか?」支持者の一人が尋ねる。


「王妃を再び倒し、次に狙うのは…王そのものだ。」レオナルド伯爵が冷酷に言い放つ。


ジャンヌは心の中で決意を固めた。(王を狙うなんて…これは早急に阻止しなければ。)


深夜、控え室に戻ったジャンヌとルシアンは、エドワードとロザリンに報告した。全員が緊張した面持ちで耳を傾ける。


「みんな、戻ったわ。レオナルド伯爵は王を狙っている。彼の計画を阻止するために、すぐに動きましょう。」ジャンヌが切り出す。


エドワードが問いかける。「具体的にどうすればいいですか?」


ルシアンが答えた。「まず、王と王妃を安全な場所に移し、伯爵の支持者を一網打尽にする計画を立てます。」


ロザリンが自ら申し出た。「私は王妃様を保護します。ジャンヌ様、次の指示をお願いします。」


ジャンヌは皆を見渡し、「みんなの協力が必要です。今夜は一睡もせず、全力でこの陰謀を阻止しましょう。」と決意を込めて言った。


こうして、ジャンヌと彼女の仲間たちは、レオナルド伯爵の陰謀を阻止するために一致団結し、行動を開始した。宮廷の平和を守るために、彼らは全力で立ち向かうのだった。

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