そうすれば、ずっと綺麗なままでいてくれるとおもった

梅雨の日のような肌にまとわりつくような独白で語られる義理の兄の話。

主人公であり語り手である『僕』よりも『兄ちゃん』のことが中心になっている。それくらいお兄さんは「僕」の中でかけがえのない人であり、作中の言葉を使うなら「憧れ」で、家族の中で一番兄に囚われたままだったのでしょうね。

個人的には「憧れ」であると同時に『妄執』であると感じました。
だからラストは『僕』にとっては救いだったのか、やっと安心できるところにこれたのか…なんとなく彼にとってプラスの環境であるように感じました。彼のことを知らないので勝手な妄想ですが……。いい環境だと感じてはいなさそうですが、最悪とまでは行かないような……。

彼の本心含めて、とても余白の光る幽玄なお話だと思いました。とても好みです!

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