兄と暮らす。驟雨の中で

血の繋がらぬ兄との交流は、義父や母との
繋がりよりも尚、憧憬の分だけ強かった。
絵筆を執る兄の姿は、無味乾燥な日々の
一点の雨粒のように 彼 の中に深く深く
染み込んで行く。
 彼の願いは、叶えられたのか。
いつまでも止まない雨天の如く、想いは
溢れて流されてゆく。
兄という名の彼と暮らす。

二進も三進も行かないのなら。

気が付けば、又。空からは今日も篠突く
驟雨の予感が。